今週はこう動く! マーケット羅針盤

2018/04/30 09:23今週の注目通貨(米ドル/円)=米金利上昇・米ドル高には限界も?!ただ対ユーロ中心に米ドル買い広がりやすい

◆要約◆
・米金利上昇余地は限られるものの、対ユーロ中心に米ドル買いが広がりやすくなっているということもあるため、株安などにより米金利が低下しない限り、米ドル高傾向がまだ続く可能性があるのかもしれない。


◆米ドルが一段高となった背景

 米ドル/円は先週109円を大きく超えてきました。昨年以降、米ドル安と米ドル高の大きな分かれ目のようになっていた108円を超えたことで、米ドル高に弾みがついた形になったのではないでしょうか≪資料1参照≫

≪資料1=米ドル/円の週足チャート(2017年1月-)≫
 
(出所:M2JFXチャート)

 それにしても、そんな米ドル一段高を後押ししたのは日米長期金利(10年債利回り)差米ドル優位の拡大、とくに米長期金利の上昇再燃だったでしょう≪資料2参照≫。米10年債利回りは一時3%の大台を突破するなど、この間の高値更新となりました。

≪資料2=米ドル/円と日米10年債利回り差 (2018年3月-)≫
 
(出所:トムソン・ロイターより作成)

 2月にかけて米10年債利回りが3%を目指して急騰した局面では、米ドル/円はそれと逆相関で動き、上がる米金利を尻目に急落に向かいました。しかし、最近にかけて米ドル/円は米金利との相関性を徐々に回復しており、このため米金利上昇再燃は、今回は米ドル高をもたらすところとなっているわけです。

 このような米ドル/円と米金利の相関関係がこの先も続くなら、米ドル高がさらに続き、110円を超えていくかは、米金利上昇が続くか次第ということになります。ただ、米長期金利、10年債利回りの5年MA(移動平均線)からのかい離率などを見ると、記録的な上がり過ぎとなっており、このまま3%を超えて上昇が続くのも簡単ではなさそうです≪資料3参照≫

 米10年債利回りは先週3%を超えたのち上げ渋る展開となり、結局週末終値は3%を下回る結果となりました。こういったプライスアクションは、さらなる金利上昇エネルギーが限られる可能性を示しているようにも見えます。

 CFTC統計によると、投機筋の米ドル・ポジションはかなり売られ過ぎの懸念が強くなっていました≪資料4参照≫。こういった米ドルの状況も、2月までと異なり米金利上昇に米ドル買いで反応しやすくなっていたということではないでしょうか。

 それにしても、上述の米ドル「売られ過ぎ」の中心は対ユーロです。この結果、先週の米ドル買いの中で、米ドル高・ユーロ安も進み、ユーロ/米ドルはヘッジファンドの売買転換点の目安、120日MA(足元1.215ドル程度)を割り込みました。

 このままユーロ/米ドルが120日MAを下回るなら、米ドル「売られ過ぎ」、ユーロ「買われ過ぎ」の修正が進みやすくなり、それが対ユーロ以外でも米ドル買いが広がりやすい状況をもたらす可能性もあります。

 以上をまとめると、米金利上昇余地は限られるものの、対ユーロ中心に米ドル買いが広がりやすくなっているということもあるため、株安などにより米金利が低下しない限り、米ドル高傾向がまだ続く可能性があるのかもしれません。(了)

≪資料3=米10年債利回りの5年MAからのかい離率 (2010年1月-)≫
 
(出所:トムソン・ロイターより作成)

≪資料4=投機筋の米ドル・ポジション (2017年1月-)≫
 
(出所:CFTC統計より作成)

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【マーケットスクウェア】
先週金曜日のマーケットスクウェアは、「ユーロ/米ドルの見通し?シナリオの提示?」です。

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