今週はこう動く! マーケット羅針盤

2018/03/19 09:08今週の注目通貨(米ドル/円)= 米ドル/円と金利は「正常な関係」に戻り始めた可能性?!

◆要約◆
・年明け以降一気に3%を目指した「異常ともいえる米長期金利上昇」は、むしろ米ドル安をもたらすといった具合に為替にも「異常ともいえる関係」をもたらした。
・ただ2月に入り米株が暴落すると、さすがに「異常な米金利上昇」も一息つくところとなった。そして為替と金利の関係も正常に戻り始めた。


◆米ドル/円は小動きが続くのか、それとも方向性が出るのか?!

 米ドル/円は3月に入ってから106円をはさんだ方向感の乏しい小動きが続いています。ではこの小動きはまだ続くのか、それとも方向性が出るなら米ドル安、米ドル高のどちらなのかといったことについて、今回は考えてみたいと思います。

 それを考える上で、最近にかけての米ドル/円の動きを説明できるのは何かということをまず確認したいと思います。今年に入ってからの米ドル/円は日米長期金利(10年債利回り)差とほぼ逆相関が続いてきました。つまり、金利差米ドル優位が拡大する中で米ドル安・円高になるといった、普通では考えにくい展開が続いてきたのです≪資料1参照≫

 ただし、それは2月後半頃から微妙に変化が出てきました。米ドル/円と日米長期金利差は、「金利差米ドル優位拡大=米ドル高・円安、金利差米ドル優位縮小=米ドル安・円高」といった順相関の関係を回復してきました≪資料2参照≫。では、なぜ2月後半から米ドル/円と金利差は、逆相関から順相関に戻ったのでしょうか。

≪資料1=米ドル/円と日米10年債利回り差 (後者を軸反転、2018年1月-)≫
 
(出所:トムソン・ロイターより作成)

≪資料2=米ドル/円と日米10年債利回り差 (2018年2月-)≫
 
(出所:トムソン・ロイターより作成)

 2月後半というのは、年明け以降急拡大した「怒涛の米長期金利上昇」が頭打ちしたタイミングでした≪資料3参照≫。2.5%から一気に3%突破寸前まで急騰した米長期金利でしたが、それは上述のように米ドル高ではなく、逆に米ドル安をもたらした形となりました。そんな「怒涛の米金利上昇」が一服したところで、為替と金利も「金利上昇=通貨高、金利低下=通貨安」といった「普通の関係」に戻りだしたということかもしれません

≪資料3=米10年債利回り (2018年1月-)≫
 
(出所:トムソン・ロイターより作成)

 仮にこの「普通の関係」がこの先も続くなら、米ドル/円の行方は米長期金利が下がるなら米ドル安、米長期金利が上がるなら米ドル高ということになります。では米長期金利は上がるか、それとも下がるか。

 米長期金利の90日MA(移動平均線)からのかい離率を見ると、最近にかけての米長期金利低下は、「上がり過ぎ」の修正ともいえそうです≪資料4参照≫。経験的に、上がり過ぎの修正は90日MA割れまで続く可能性があります。足元の90日MAは2.6%程度なので、米長期金利低下はもう少し続いてもおかしくないのかもしれません。

 また、米10年債のポジションは、CFTC統計によると、最近にかけてかなり「売られ過ぎ」懸念が強くなっていました≪資料5参照≫。この反動に伴う米10年債の買い戻しも利回りの低下を後押しする可能性のあるものといえそうです。

 以上をまとめてみましょう。年明け以降一気に3%を目指した「異常ともいえる米長期金利上昇」は、むしろ米ドル安をもたらすといった具合に為替にも「異常ともいえる関係」をもたらした。ただ「異常な米金利上昇」に耐え切れず、ついに2月に入り米株が暴落すると、さすがに「異常な米金利上昇」も一息つくところとなった

 そして為替と金利の関係も正常に戻り始めたということではないでしょうか。「異常な米金利上昇」の修正局面が続くなら、米金利低下=米ドル安・円高が続く可能性が高そうですが、果たしてどうでしょうか。(了)

≪資料4=米10年債利回りの 90日MAからのかい離率 (2010年1月-)≫
 
(出所:トムソン・ロイターより作成)

≪資料5=投機筋の米10年債ポジション (2015年-)≫
 
(出所:CFTC統計より作成)

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【マーケットスクウェア】
先週金曜日のマーケットスクウェアは、「来週(3月19-23日)の注目材料?G20の足並みは揃うか?」です。

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