今週はこう動く! マーケット羅針盤

2018/02/26 09:39今週の注目通貨(米ドル/円)=2月末要因の独金利反落で米ドル安一服、一方ポスト五輪の波乱再燃への警戒も

◆要約◆
・先週、米ドル安一服となったのは、逆相関の関係が強い独10年債利回りが上昇一服、反落気味に展開した影響が考えられる。独10年債利回りが反落気味に展開したのは、2月末リバランス需要の影響があったようだ。
・一方、そんなテクニカル要因を除くと、冬季五輪終了で、朝鮮半島情勢の緊張再燃への警戒は根強く、株安、リスクオフ再燃、円高再燃となる可能性も続いている。


◆米ドル安一服は続くのか、否か

 2月に入り一時105円台まで急落した米ドル/円でしたが、先週は106-108円のレンジで比較的底固い展開となりました≪資料1参照≫。この展開はまだ続くのか、それともすぐに米ドル安再燃となるのでしょうか。

≪資料1=米ドル/円の日足チャート(2018年1月-)≫
 
(出所:M2Jチャートより作成)

 米ドル安一服となったのは対円に限ったことではありませんでした。むしろ対ユーロなどで、米ドルは先週反発気味となりました。米ドルの総合力を示す実効相場も、2月15日がこれまでの底値となっています≪資料2参照≫

≪資料2=米ドル実効相場と90日MA(2018年-)≫
 
(出所:トムソン・ロイターより作成)

 このような最近の米ドル実効相場を比較的うまく説明できるのは独10年債利回りとの逆相関です≪資料3参照≫。その意味では、先週米ドルが対円も含め全般的に下落一服、反発気味となったのは、独10年債利回りの上昇が一服し、反落気味に展開したことが大きかったのではないでしょうか

≪資料3=米ドル実効相場と独10年債利回り (2017年12月-)≫
 
(出所:トムソン・ロイターより作成)

 では、なぜ独10年債利回りの上昇は一服し、反落気味となったのか≪資料4参照≫。そしてそれは今週も続くのでしょうか。独10年債利回り上昇は、短期の移動平均線との関係で見るとさすがに行き過ぎ懸念が浮上していたので、その修正が入ったということはあるでしょう。加えて、以下のようなテクニカルな影響も指摘されています。

≪資料4=過去一か月の独10年債利回り≫
 
(出所:ブルームバーグ)

 「23日の欧州債相場は、ドイツ債が堅調。月末のリバランス需要に支えられ、長期債を中心に買われた」(23日付けブルームバーグ)。要するに、2月末要因で、独10年債に買いが入り、それが価格上昇、利回り低下の一因となった可能性があったようです。そして、そんな月末要因の独国債の需要については、以下のようなコメントもありました。
 「みずほによると、月末のリバランス需要ではイタリアとフランス、ドイツが最も恩恵を受ける見込み。トロント・ドミニオン銀行のストラテジスト、リチャード・ケリー氏は『マクロ経済の新たなイベントやニュースというより、月末のリバランスとの関連性が強いようだ』とコメントした」(同ブルームバーグ)。

 以上を整理してみましょう。先週、米ドル安一服となったのは、逆相関の関係が強い独10年債利回りが上昇一服、反落気味に展開した影響が考えられる。独10年債利回りが反落気味に展開したのは、2月末リバランス需要の影響があったようだ。そうであれば、月末までは、「独10年債上昇一服→米ドル安一服」が続く可能性もあるのかもしれない

 一方、そんなテクニカル要因を除くと、冬季五輪終了で、朝鮮半島情勢の緊張再燃への警戒は根強く、株安、リスクオフ再燃、円高再燃となる可能性も続いているようです。冬季五輪後の「波乱要因」について、双日総研チーフエコノミストの吉崎達彦氏が、2月20日付けの自身のブログでまとめていたのがわかりやすいので、以下に引用しました。

〇2月28日にはFRBがハンフリー・ホーキンス報告書を提出し、パウエル新議長の議会証言が行われる。「お手並み拝見」とばかりに注目度は高い。変な発言が飛び出すと即座に市場に影響が出るだろう。
〇ドイツのSPDが今日から3月2日まで、政権入りを問いかける党員投票を行う。3月4日頃には答えが出るだろう。答えがノーだと大連立も否定され、再選挙に向かうのではないか。
〇3月4日はイタリア総選挙。これまた鬼が出るか蛇が出るか。五つ星運動、民主党、中道右派連合(フォルツァ・イタリアと北部同盟)の三極は、いずれも過半数を取れない見通し。
〇中国の全人代は3月5日から。これまた見所はたくさんありそう。
〇中東もきな臭くなっている。

 米ドル/円も、以上のような材料をにらみながらの展開となりそうです。(了)

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【マーケットスクウェア】
先週金曜日のマーケットスクウェアは、「3月4日は欧州に目を向けよう!」です。

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