今週はこう動く! マーケット羅針盤

2018/02/12 08:45今週の注目通貨(米ドル/円)=米金利上昇で米株安へ転換なら、もう111円超えず100円目指す円高の可能性?!

◆要約◆
・米ドル高・円安に戻った場合もあくまで足元111円台の52週MA前後までで、米ドル安・円高が広がる見通し。
・今回の米ドル安・円高が、2017年1月118円から始まったとして、最短、最小にとどまるなら、2018年中に100円を目指すといったシナリオになる。


◆なぜ急に米株大暴落なのか?!

 2月に入ってから、米株、NYダウは2度も一日1000ドル以上の大暴落となりました。こういった中で、為替市場でもリスクオフの動きが目立ち、教科書的に「安全資産」とされる円は、対米ドルでも一時108円割れ近くまで円高傾向となりました。

 それにしても、なぜ2月に入ってから株暴落が広がったのか。きっかけの一つは、米1月雇用統計発表により、インフレ懸念が浮上したことでした。昨年まで、予想以上の低インフレが続き、米経済は構造的にインフレ率が上昇しにくくなっている点が注目されましたが、そんな米経済でもさすがにインフレ圧力が拡大してきたのでしょうか。

 私が注目したのは、米金利上昇と米株の関係です。イールドレシオ、米債利回りと米株式益回りの関係は、1月以降の米利回りの一段の上昇と、米株続伸(益回り低下)により急接近となっていました≪資料1参照≫

≪資料1≫
 

 以上のように見ると、もちろん米インフレ圧力の拡大に伴う米株安ということはあるでしょうが、一方で米金利上昇により、いよいよ米株の有利性の後退から、米株が暴落に転じたという可能性もあるのではないでしょうか。それにしても、米株高から米株安へ転換した、つまりリスクオンからリスクオフへ転換したということは注目されるでしょう。

 為替相場は、米ドル/円が、先週末にかけて52週MA(移動平均線)を5週連続で下回る米ドル安・円高となりました≪資料2参照≫。経験的には、1か月以上、52週MAより米ドル安・円高となった場合、一時的な動きではない可能性が高いといえます。

≪資料2=米ドル/円と52週MA(2000年-)≫
 
(出所:トムソン・ロイターより作成)

 上述のように、リスクオフに転換した可能性が高く、その中で円高が一時的ではない可能性が高くなってきたということは、基本的に同じ意味になるだけに、気になるところでしょう。

 仮に、米ドル安・円高が一時的ではなく、中期的なトレンドとして展開している可能性が高いなら、経験的には米ドル高・円安に戻った場合もあくまで足元111円台の52週MA前後までで、米ドル安・円高が広がる見通しになるでしょう。

 それでは、米ドル安・円高トレンドは、どのようなシナリオになるのか。過去の実績からすると、最短の米ドル安・円高は1年程度、最小の米ドル安は2割程度の米ドル下落にとどまるというものです。

 今回の米ドル安・円高が、2017年1月の118円から始まったとして、最短、最小にとどまるなら、それでも2018年中に100円を目指すといったシナリオになりますが、果たしてどうか。株安、リスクオフへの転換なら、そんな中期円安から中期円高トレンドのシナリオを考える必要があるのでしょう。(了)

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【マーケットスクウェア】
先週金曜日のマーケットスクウェアは、「来週(2月12-16日)の注目材料 〜引き続き米長期金利〜」です。

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