今週はこう動く! マーケット羅針盤

2018/01/15 09:11今週の注目通貨(米ドル/円)= 金利差とかい離した米ドル安・円高の理由、そしてその行方は?

◆要約◆
・足元の金利差拡大を受けて、米ドル/円は115円を超えていてもおかしくないところが、逆に111円前後へ米ドル反落となった。その一因は円の「売られ過ぎ」の反動か。
・米ドル安はユーロ高が主導している可能性も。そうであるなら、行き過ぎたユーロ高が一巡するかが、金利差とかい離した米ドル安一巡のもう一つの鍵。


◆なぜ金利差とかい離した米ドル安・円高となったのか?

 米ドル/円は先週一時111円割れへ反落しました。これは、金利差米ドル優位拡大と基本的に逆行した米ドル安でした≪資料1参照≫

≪資料1=米ドル/円と日米10年債利回り差 (2017年-)≫
 
(出所:トムソン・ロイターより作成)

 米ドル/円は、一昨年頃から特に日米10年債利回り差との相関性が非常に高い状況が続いてきました。その関係からすると、足元の金利差拡大を受けて、米ドル/円は115円を超えていてもおかしくないところですが、逆に111円前後へ反落となりました。そこで今回は、なぜ金利差と米ドル/円の相関関係が崩れたのか、それはこの先も続くのかといったことについて考えてみたいと思います。

 金利差と逆行した米ドル安・円高の一因は、円の「売られ過ぎ」の反動との見方があります。

 CFTC統計によると、円は10万枚を大きく上回る大幅な売り越しとなっていましたが、そんな売り越し拡大が始まったのは昨年9月下旬からでした≪資料2参照≫。これは、米ドル/円が120日MA(移動平均線)より米ドル高・円安になったタイミングとほぼ同じでした≪資料3参照≫。そんな120日MAは足元で111.8円程度であり、先週はそれより米ドル安・円高が進みました。

≪資料2= 投機筋の円ポジション(2017年-)≫
 
(出所:CFTC統計より作成)

≪資料3=米ドル/円と120日MA(2017年-)≫
 
(出所:トムソン・ロイターより作成)

 以上のように見ると、120日MAより米ドル高・円安となってから米ドル買い・円売り拡大に向かった動きが、先週120日MAより米ドル安・円高となったことで逆流、つまり米ドル売り・円買いに転じた可能性はあるでしょう。

 それが金利差とかい離した米ドル安・円高の一因だとすれば、120日MAより米ドル高・円安に戻るまでは、円の「売られ過ぎ」の反動に伴う米ドル売り・円買い圧力には要注意かもしれません。

 もう一つ気になるのはユーロ高の動きではないでしょうか。最近にかけての米ドル安は、米ドルの総合力を示す実効相場で見ると昨年12月中旬のFOMCの後から始まった形となっていますが、それはユーロ高・米ドル安の始まりのタイミングとある程度重なります。その意味では、米ドル安はユーロ高が主導している可能性も考えられます。

 ユーロはCFTC統計などによると、「買われ過ぎ」懸念が強くなっており、また独10年債利回りも短期的には「上がり過ぎ」懸念が強くなってきました。上述のような可能性があるなら、以上のような、行き過ぎたユーロ高が一巡するかが、金利差とかい離した米ドル安一巡のもう一つの鍵ではないでしょうか。(了)

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【マーケットスクウェア】
先週金曜日のマーケットスクウェアは、「中国は米国債をどうするか」です。

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