今週はこう動く! マーケット羅針盤

2017/12/04 08:52今週の注目通貨(米ドル/円)=「ロシア疑惑」など気になるが、3四半期連続で成長率3%を超える見通しで米長期金利上昇・米ドル高続く?!

◆要約◆
・足元の120日MAは111.6円程度だが、その120日MAを米ドル/円が上回って推移するなら、今回の場合も投機筋の米ドル買い・円売りは再拡大に向かう可能性が高い。
・トランプ政権の「ロシア疑惑」など気になる材料もあるが、3四半期連続で米経済成長率が3%を超える見通しといった好調の米景気のもと、米長期金利上昇・米ドル高は続くか。


◆米ドル高・円安再開の理由と今後の行方

 米ドル/円は、先週半ばに111円半ばを超えると一段高となり、一気に113円突破近くまで上昇しました。それまでの上値の重さが急に変わったのは、111円半ばという為替水準に関係があったのではないでしょうか。

 先週のこのレポートでも書いたように、111円半ばは120日MA(移動平均線)が位置する水準でした。この120日MAは、ヘッジファンドなど投機筋の売買転換点とほぼ一致してきました。

 つまり、先週半ばから米ドル/円の上値が、それまでの重い状況から急に軽くなったのは、120日MAを上抜けたことで、投機筋の米ドル買いが拡大した影響が大きかったのではないでしょうか≪資料1参照≫

≪資料1=米ドル/円と120日MA(2017年-)≫
 
(出所:トムソン・ロイターより作成)

 前回米ドル/円が120日MAを上回るようになったのは9月中旬でした。CFTC統計によると、その後から米ドル買い・円売りが再拡大に向かったことが確認できます≪資料2参照≫

≪資料2=投機筋の円のポジション (2017年-)≫
 
(出所:CFTC統計より作成)

 以上のように見ると、足元の120日MAは111.6円程度ですが、その120日MAを米ドル/円が上回って推移するなら、今回の場合も投機筋の米ドル買い・円売りは再拡大に向かう可能性が高いのではないでしょうか。

 ではその結果、一段の米ドル高・円安が進むでしょうか。このレポートでも何度も述べてきたように、米ドル/円は米長期金利と相変わらず高い相関関係となっているので、一段の米ドル高・円安が進むかどうかの鍵は米長期金利が握っているのでしょう。

 その米長期金利、10年債利回りは先週税制改革への期待などが材料視されたとして一時2.4%を超える急上昇となりました≪資料3参照≫。これは、確かに税制改革への期待などがきっかけになったのでしょうが、米感謝祭が終わり、ヘッジファンドの期末が集中する11月末を過ぎたことで、ポジション調整が一巡した影響が大きかったのではないでしょうか。

≪資料3=過去一か月の米10年債利回り ≫
 
(出所:Bloomberg)

 米感謝祭前は、特に為替相場では資源国や新興国の通貨が売られ、円が買われる、つまりリスク資産を売って安全資産を買う典型的なリスクオフが続きました。株高や原油高が続く中で、なぜ為替相場ではリスクオフが広がったか。それについて私は、リスクオン取引について、感謝祭や11月末を控えたポジション調整が入った結果ではないかと考えました。

 そういった見方からすると、先週後半以降の動きは、ポジション調整が一段落し、リスクオン取引が再開した結果だったのではないでしょうか。有力な米GDP予測モデルでも米第4四半期成長率は3%を大きく超えるという予想が続くなど、米景気回復を受けてリスクオンはさらに続く可能性があるでしょう。

 そうであれば、米長期金利も一段と上昇する可能性が十分あるのではないでしょうか。トランプ政権の「ロシア疑惑」など気になる材料もありますが、それでもなお3四半期連続で米経済成長率が3%を超える見通しといった好調の米景気のもと、米長期金利上昇と、それに連れた米ドル高が続く可能性はあるのではないでしょうか。(了)

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【マーケットスクウェア】
先週金曜日のマーケットスクウェアは、「『シャットダウン』と『デフォルト』」です。

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