今週はこう動く! マーケット羅針盤

2017/11/27 09:20今週の注目通貨(米ドル/円)=米ドル高・円安再開の鍵は足元111.6円程度の120日MA回復と米長期金利

◆要約◆
・さらに米ドル売り・円買いが続くかは、まずは足元111.6円程度の120日MAを米ドル/円が回復できるかが焦点か。
・米長期金利の動向は、米ドル/円が120日MAを回復できるかを考える上での鍵を握っている可能性。


◆米ドル安・円高はまだ続くのか、それとも?

 米ドル/円は先週一時111円割れ寸前まで続落しました。その結果、足元111.6円程度の120日MA(移動平均線)を下回りました≪資料1参照≫

≪資料1=米ドル/円と120日MA(2017年-)≫
 
(出所:トムソン・ロイターより作成)

 この120日MAは、ヘッジファンドなど投機筋の売買転換点とおおむね一致してきました。たとえば、前回米ドル/円が120日MAを割り込む動きとなったのは7月中旬でしたが、その頃からCFTC統計の投機筋の円ポジションは売り越し(米ドル買い越し)の縮小(米ドル売り・円買い)が広がりました≪資料2参照≫

≪資料2=投機筋の円のポジション (2017年-)≫
 
(出所:CFTC統計より作成)

 以上のように見ると、先週にかけて米ドル/円が一時111円割れ近くまで続落したのは、それまで大幅な米ドル買い・円売りに傾斜していた投機筋が、ポジション調整の米ドル売り・円買いを拡大した影響も大きかったのではないでしょうか。
 先週は米感謝祭がありましたが、これは「米国版GW(ゴールデンウィーク)」とも呼ばれ、さらにヘッジファンドの多くが決算期末とする11月末を控えたこの時期は、そもそも例年ポジション調整が拡大する傾向があります。

 そんな米感謝祭は終わりましたが、さらに米ドル売り・円買いが続くかは、これまで見てきたことからすると、まずは120日MAを米ドル/円が回復できるかが焦点になるでしょう。120日MAを回復できなければ、投機筋はさらに米ドル売り・円買いを続ける可能性があります。それとも、速やかに米ドル/円が120日MAを回復することで、投機筋は米ドル買い・円売りを再開するのか。

 先週にかけて、米ドル/円が続落したのは、これまで述べてきたようにポジション調整の影響があったと思いますが、それとともに米ドル/円と相関性の高い日米長期金利(10年債利回り)差、特に米長期金利が上げ渋った影響もあったと思います≪資料3参照≫

≪資料3=米ドル/円と日米10年債利回り差 (2016年10月-)≫
 
(出所:トムソン・ロイターより作成)

 その意味では、米長期金利の動向は、米ドル/円が120日MAを回復できるかを考える上での鍵を握っている可能性があるでしょう。
 米長期金利が先週上げ渋り、一時低下する場面もあったのは、先週公表された10月末FOMC議事録などで、足元のインフレの弱さを指摘する意見があったことなどが材料視されたようです。

 米景気回復は続いていると見られ、アトランタ連銀やNY連銀による有力な米GDP予測モデルでも、第4四半期成長率はなお3%を大きく上回るとの見通しが維持されています。また、原油価格は、WTIがいよいよ60ドルに迫るなど、年初来の高値を更新する展開が続いています
 そういった中でも、低インフレは続くのか。それが米長期金利と、そして米ドル/円の行方を占う上での最大の焦点といえるのではないでしょうか。(了)

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【マーケットスクウェア】
先週金曜日のマーケットスクウェアは、「来週はFEDウィーク!!」です。

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