今週はこう動く! マーケット羅針盤

2017/10/16 09:43今週の注目通貨(米ドル/円)= 米10年債利回りの90日MAサポートに注目、米低インフレへの金利低下は過剰では?!

◆要約◆
・先週からの米10年債利回り低下は、9月からの米10年債利回り上昇再燃が「一時的」に過ぎないものだったのかを試す動きであり、90日MAサポートが当面の大きな焦点。
・時代的にインフレ率が上がりにくくなっているということはあるかもしれないが、それを過剰に織り込んだ金利低下は、急反騰に転じる可能性もあるのではないか。



◆再び「米金利低下=米ドル安」に向うのか、それとも?

 米ドルは先週末、112円割れとなりました。これは、相関性の高い米長期金利が低下し、日米長期金利差米ドル優位が縮小した結果といえるでしょう≪資料1参照≫。では、この先は、米長期金利低下でさらに米ドル安となるのか、それとも米長期金利上昇で米ドル高へ向かうかについて、今回は考えてみたいと思います。

 私がこの間とくに注目してきたことは、米10年債利回りが、9月にそれまで大きく超えられなかった90日MA(移動平均線)を大きく超え始めたということです≪資料2参照≫。そういった中で、米10年債利回りと相関性の高い米ドル/円も、米ドル急反発となったのでしょう。

 ところで、こんなふうに米10年債利回りが、9月から90日MAを上放れ出したというのは、昨年もあったことでした。昨年も米10年債利回りは9月に入ると90日MAを上放れとなったのです。

 しかし、昨年の場合その後9月末にかけて、米10年債利回りは低下に転じました。それにしても、結果的には、9月末に米10年債利回りがボトムアウトを確認し、10月以降、「トランプ・ラリー」という格好のきっかけも得たことで、米10年債利回りは一段の上昇に向かい、それは米ドル/円の一段高をもたらすことになったのです。

 さて、そんな昨年の経験を参考にすると、先週からの米10年債利回り低下は、9月からの米10年債利回り上昇再燃が「一時的」に過ぎないものだったのかを試す動きであり、その意味では足元で2.2%台の90日MAにサポートされるかが当面の大きな焦点になるのではないでしょうか。

 ところで、先週、米10年債利回りが低下再燃となったきっかけの一つは、米インフレ率が予想より上昇せず、それらによりFRBの利上げも予想より緩やかになるのではないかといった見方が浮上したことでした。

 ところで、これは2003年にかけて浮上した「グローバル・デフレ」論と似た感じがしないかと私は考えています。「グローバル・デフレ」論とは、日本だけでなく、米国も含めて世界的にデフレに転落する懸念があるといった考え方でした。

 そういった中で、2003年6月にかけて、米10年債利回りは当時の最低を更新し、3%割れ寸前まで低下しました。しかし、この6月FOMCで、利下げが予想以下にとどまったことをきっかけに、米10年債利回りも急反騰へ転じるところとなりました。

 私は、この2003年と最近は似た面があるのではないかと考えています。つまり、時代的にインフレ率が上がりにくくなっているということはあるのかもしれませんが、それを過剰に織り込んだ金利低下は、FRBの姿勢などをきっかけに急反騰に転じる可能性もあるのではないでしょうか。(了)

≪資料1=米ドル/円と日米10年債利回り差 (2017年-)≫
 
(出所;トムソン・ロイターより作成)

≪資料2=米10年債利回りと90日MA(2016年)≫
 
(出所;トムソン・ロイターより作成)

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先週金曜日のマーケットスクウェアは、「米金融政策の点検」です。
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