今週はこう動く! マーケット羅針盤

2017/04/10 09:32今週の注目通貨(米ドル/円)=「トランプ・ラリー」行き過ぎたリスクオン相場の修正最終局面の可能性

◆要約◆
・米ドルと米長期金利は「トランプ・ラリー」による行き過ぎの修正一段落の可能性。
・まだ途上の可能性がある株高修正が、米金利と米ドルを続落させる可能性はあるか?
 
◆米ドル/円110円割れ巡る攻防の鍵とは?
 
  先週の米ドル/円は、何度か110円割れトライとなったものの、結果的には110円台での底固さを維持した形となりました。これは、米ドル/円と相関性の高い日米長期金利(10年債利回り)差米ドル優位縮小が足踏みしたことと符合します≪資料1参照≫。では、なぜ日米長期金利差米ドル優位縮小が足踏みしたかといえば、米長期金利が下げ渋ったからでしょう。
 
 米長期金利は、一時2.3%割れを試す展開となりましたが、結果的に終値での2.3%割れは回避されました。材料的には、米国によるシリア攻撃といったリスク回避要因や米3月NFP(非農業部門雇用者数)の予想を下回る結果など、米金利低下に反応しやすいものが相次ぎましたが、それでも米長期金利が下げ渋ったのはなぜか。
 
 米長期金利の90日MA(移動平均線)からのかい離率を見ると、年初までの記録的な上がり過ぎは完全に修正され、足元はむしろ下がり過ぎを拡大する動きになっています≪資料2参照≫米長期金利低下が「行き過ぎ」気味になる中で、それを加速させる金利低下要因への反応が鈍くなり始めたということはないでしょうか
 ただし、「恐怖指数」と呼ばれるVIX指数をみると、上述のようにシリア攻撃などリスク回避要因がある中でも、なお記録的な低水準での推移が続いています≪資料3参照≫。これは、相対的にリスク選好に傾斜し過ぎた状況が続いていることから、その反動でリスク回避の株安が起こる余地のあることを感じさせます。
 その意味では、何かのきっかけで株安、リスク回避の動きとなり、米長期金利低下の「行き過ぎ」拡大を試す可能性はまだ消えたわけではないでしょう。そうであれば、そんな米長期金利と相関性の高い米ドル/円も、米ドル続落リスクはまだ警戒する必要があるのではないでしょうか。
 
 経験的には、一時的な動きでも最大で52週MA前後まで戻る可能性はあります。米ドル/円の52週MAは足元で108.3円程度ですから、これまで見てきたように米長期金利低下が「行き過ぎ」気味になってきたとはいえ、それがさらに拡大するようなら、相関性の高い米ドル/円が続落するリスクはまだ予断を許さないでしょう≪資料4参照≫
 
 私は、今年に入ってからの動きは、「トランプ・ラリー」と呼ばれたリスクオン相場における米長期金利急騰、米ドル急騰、株価急騰がさすがに「行き過ぎ」となった分の修正局面と考えてきました。
 米長期金利と米ドルについては、その修正がほぼ一段落しつつあるのではないかと考えています。あとは、まだ途上にある可能性がある株高修正の動きが、米金利と米ドルをさらに続落させる可能性があるのか、その最終的な見極めの時間帯に入っているのではないかと考えています。(了)
 
≪資料1 =米ドル/円と日米10年債利回り差 (2016年7月-)≫
 


(出所:M2J FX投資判断インディケーター)
 
≪資料2=米10年債利回りの90日MAからのかい離率(2000年-)≫
 


(出所:M2J FX投資判断インディケーター)
 
≪資料3=「恐怖指数」VIX指数 (2010年-)≫
 


(出所:M2J FX投資判断インディケーター)
 
≪資料4=米ドル/円と52週MA (2000年-)≫
 


(出所:M2J FX投資判断インディケーター)
 
= = = = = = = = = = = = = = = = =
【マーケットスクウェア】
先週金曜日のマーケットスクウェアは、「米FOMC議事録と雇用統計の注目点を解説!」です。
 


※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。

※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

バックナンバー

「今週はこう動く! マーケット羅針盤」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ