今週はこう動く! マーケット羅針盤

2017/03/27 09:32今週の注目通貨(米ドル/円)=米ドルは112円回復まで上値重いが、下落もあくまで一時的の可能性か

◆要約◆
・足元112円程度の120日MAを回復するまでは米ドル上値重い展開が続く可能性。
・ただ一時的な米ドル安に過ぎないなら、最大でも108円の52週MAを割れない公算?!


◆レンジ下抜けで米ドル上値重い展開か?

 米ドル/円は先週、約2ヶ月ぶりに112-115円中心のレンジを大きく割り込んできました≪資料1参照≫。ではこれを受けて、米ドル安・円高がいつまで続くかについて、今回は考えてみたいと思います。

 先週の一段安により、米ドルは足元112円程度での推移となっている120日MA(移動平均線)を昨年11月以来で初めて大きく割り込んできました≪資料2参照≫。120日MAは、ヘッジファンドなど投機筋の売買転換点とおおむね一致することの多かった水準ですから、120日MAより米ドル安での推移が続くようなら、投機筋は米ドル売り・円買いに傾斜した状況が続く可能性があります。

 CFTC統計の投機筋の円ポジションは、先週の段階でも、6万枚を大きく超える円売り越し(米ドル買い越し)となっていました≪資料3参照≫。これは、先週まで米ドルが120日MAを上回る状況が続き、米ドル買い・円売りに動いた結果と考えられます。

 以上のように見ると、米ドルが120日MA以上の水準を回復するまでは、投機筋の米ドル買い・円売りに傾斜したポジションの逆流に伴う米ドル売り・円買いなどから、米ドルは上値重く、下落リスクが試される状況が続く可能性が高いのではないでしょうか。

◆米ドル安は一時的か、中期的な基調へ転換したのか?

 では、米ドルはどこまで下落するリスクがあるのでしょうか。これは、米ドル安があくまで一時的な動きなのか、それともすでに米ドルは1月の118円で当面の天井を打ち、中期的な米ドル安に転換したのか、その判断によって全く違ったものになります。

 経験的には、一時的な米ドル安なら足元で108円程度の52週MAを大きく、長く割り込まない程度にとどまる可能性が高いでしょう≪資料4参照≫。逆に言えば、中期的な米ドル安が展開しているなら、52週MAはあくまで通過点に過ぎないとの見通しになります。

 私はこれまで、かりに1月118円で昨年6月から展開してきた米ドル高・円安が終わったということなら、過去の実績からすると極端に「短命」のたった半年で中期的な米ドル高・円安が終わったという計算になるだけに、その可能性は低いと考えれば、最近にかけて起こっているのは一時的な米ドル安に過ぎないという判断を述べてきました。今回は違った角度からも考えてみましょう。

 118円までの米ドル高が、トランプ政権への期待ということなら、それが失望に変われば米ドル安に転換するということになってもおかしくないでしょう。ただ私は、今回の米ドル高をうまく説明できる米長期金利の上昇は、循環的な景気回復と、異常な金利低下「バブル」の破裂といった2つの側面が重なって起こったものと考えてきました。

 そもそもバブル破裂の金利上昇なら、簡単には終わらない可能性が高いでしょう。また循環的な景気回復が一段落したら、米再利上げ観測も消えるのではないでしょうか。依然として、年内2-3回の追加利上げ観測がある中では、循環的景気回復も続いているということでしょう。

 以上のように見ると、先週にかけレンジを下抜けた米ドル安・円高の動きではありますが、あくまで米ドル高トレンド継続の中の一時的な動きに過ぎないのではないかと私は考えています。(了)

≪資料1    =米ドル/円と日米10年債利回り差(2016年7月-)≫
(出所;投資判断インディケーター)

≪資料2=米ドル/円と120日MA(2015年-)≫
(出所;投資判断インディケーター)

≪資料3=CFTC統計の円ポジション (2015年-)≫
(出所;投資判断インディケーター)

≪資料4=米ドル/円と52週MA (2000年-)≫
(出所;投資判断インディケーター)

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