今週はこう動く! マーケット羅針盤

2017/03/13 10:27今週の注目通貨(米ドル/円)=NFP良くても米ドル反落、当面の米ドル高の限界を再確認か?!

◆要約◆
・なぜ米雇用改善でも米金利低下・米ドル反落となったか。米金利上がり過ぎを再確認?!
・一段の米金利上昇・米ドル高にはまだ限界か。米金利低下、米ドル安は米株に注目?!

 
◆なぜ米雇用統計予想以上でも米ドル反落となったのか?
 
 注目された米2月雇用統計は、NFP(非農業部門雇用者数)が予想を大きく上回りましたが、米ドルは115円割れへ反落となりました。これは、米ドルと相関性の高い米10年債利回りが低下したことと整合的でしたが、ではなぜ雇用統計は良かったのに、米金利は低下となったのでしょうか≪資料1参照≫
 
 これについて一般報道では、「2月の雇用統計を受け、金融当局は順調な利上げが可能で、将来ペースの加速を迫られることはないとの見方が広がった」(10日付けブルームバーグ)といった解説が基本のようでした。具体的には、「FOMCは3月の利上げが可能になるが、年内3回利上げというテーマは変わらない」(同)といった意味のようです。
 個人的には、このような解説はいかにも「後講釈」のような印象があります。それよりも、雇用統計が良くても米金利が低下したのは、やはり米金利がすでに「上がり過ぎ」で、米債券が「売られ過ぎ」といった「行き過ぎた動き」になっていた影響が大きかったのではないでしょうか
 米10年債利回りの5年MA(移動平均線)からのかい離率はプラス20%に迫り、経験的には上がり過ぎの限界圏にあります≪資料2参照≫。また、CFTC統計によると、投機筋の米10年債ポジションは過去最高の売り越しで、経験的には売られ過ぎ懸念が強くなっていました≪資料3参照≫
 今週はFOMCが予定され、3度目の利上げ決定はほぼ確実視されています。こういった中で、米金利上昇バイアスの強い状況は続きそうですが、上述のようにその米金利上昇を巡りすでに「行き過ぎた動き」になっていることを考えると、米金利がこのまま一段の上昇に向かい、それに連動する形で米ドルが一段高に向かうには、まだ限界があるのではないでしょうか
 
 では、逆に米金利が低下に転じるリスクはあるでしょうか。その鍵を握るのは米株の動きではないでしょうか。NYダウの52週MAからのかい離率は、経験的に上がり過ぎ懸念が強くなっています≪資料4参照≫
 米株は、景気が良好な中では株高にバイアスがかかりやすいことは想像できます。ただ最近にかけて、循環的にはちょっと景気にマイナスな要因も出始めたのではないでしょうか
たとえば、原油価格(WTI)は先週末にかけて50ドルを大きく割り込み、48ドルまで反落となりました。また、米金利大幅上昇や米ドル高は、循環的に米景気回復にマイナス要因になるものでしょう。
こういった中で、果たして米株「上がり過ぎ」は持続するのか。米株が「上がり過ぎ」修正で下落リスクが広がるようなら、それは米金利「上がり過ぎ」修正に伴う低下を後押しする可能性があるでしょう。(了)
 
≪資料1 =過去一か月の米10年債利回り≫
 
(出所:Bloomberg)
 
≪資料2=米10年債利回りの5年MAからのかい離率 (1990年-)≫
 
(出所:M2J FX投資判断インディケーター)
 
≪資料3=投機筋の米10年債ポジション (2010年-)≫
 
(出所:M2J FX投資判断インディケーター)
 
≪資料4=NYダウの52週MAからのかい離率(2000年-)≫
 
(出所:M2J FX投資判断インディケーター)
 
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