今週はこう動く! マーケット羅針盤

2017/03/06 10:14今週の注目通貨(米ドル円)=米ドル/円は米利上げより米長期金利次第の関係不変なら、米ドル一段高も簡単ではない?!

◆要約◆
・米3月利上げの可能性が高まってきたが、米ドル/円はこれまで米長期金利と相関性高い。
・米長期金利は5年MA(移動平均線)との関係などから、すぐの上昇本格再燃は簡単ではなさそう。

◆米3月利上げなら米ドルは一段高になるのか?

米利上げが、3月FOMCで行われるとの見方が強まってきました。では、それを受けて、「米ドルが一段高となるか」について、今回は考えて見たいと思います。

3月FOMCでの米利上げが確実視される中で、金融政策を反映する米2年債利回りもこの間の最高を大きく上回り、日米2年債利回り差米ドル優位もこの間の最高を大きく上回ってきました。ただ米ドル/円は、この間の高値、118円より米ドル安・円高水準での推移となっています《資料1参照》

このような米ドル/円の動きを、この日米2年債利回り差よりうまく説明できるのは日米長期金利(10年債利回り)差です《資料2参照》。以上のように見ると、米3月利上げの可能性が高まった割に、米ドル高はじつは伸び悩んでいるといった言い方もできそうなのですが、その原因は、米長期金利が上げ渋っているということになるのではないでしょうか。

そうであれば、米ドルが一段高に向かうかは、米3月利上げの有無以上に、米長期金利がこの間の高値を更新する上昇再燃となるかが鍵ということではないでしょうか

その米長期金利、10年債利回りは、90日MA(移動平均線)からのかい離率でみると、上がり過ぎが修正されました《資料3参照》。ただ、5年MAからのかい離率は、なお記録的な上がり過ぎが続いています《資料4参照》

米10年債利回りの5年MAからのかい離率は、1990年以降で見る限り、20%以上に拡大したことはありませんでした。足元の5年MAは2.11%なので、月末に2.53%以上なら、1990年以降では最高の上がり過ぎになる計算です。

以上のように見ると、当面において米10年債利回りが2.5%以上で推移することは、5年MAとの関係でみる限り、かなり上がり過ぎ懸念が強いといった意味になるようです。その意味では、米10年債利回りがすぐに本格的な上昇再燃となるのは、簡単ではないのではないでしょうか

米ドル/円のこの間の動きは、金融政策を反映する日米2年債利回り差より、日米長期金利差との相関性が高かったということを、上記で確認しました。その関係がこの先も大きく変わらないなら、米ドル/円の行方は、米利上げ見通し以上に米長期金利の動きがカギということになります。

そして、その米長期金利は昨年11月米大統領選挙前後からの記録的な急騰を受け、上昇が本格的に再燃するのは、当面簡単ではなさそうです。そうであれば、今回の命題、「米ドルは一段高になるか」ということについても、簡単ではないといった結論になりますが、果たしてどうでしょうか?(了)

≪資料1    =米ドル/円と日米2年債利回り差(2016年7月-)≫

(出所:M2J FX投資判断インディケーター)

≪資料2=米ドル/円と日米10年債利回り差 (2016年7月₋)≫

(出所:M2J FX投資判断インディケーター)

≪資料3=米10年債利回りの90日MAからのかい離率 (2000年-)≫


(出所:M2J FX投資判断インディケーター)

≪資料4=米10年債利回りの5年MAからのかい離率(1990年-)≫


(出所:M2J FX投資判断インディケーター)

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