今週はこう動く! マーケット羅針盤

2017/02/27 09:45今週の注目通貨(米ドル/円)=112-115円中心のレンジ相場は110-114円へ下方修正に向かうのか?!

◆要約◆
・米長期金利の低下で米ドルじり安。112-115円のこの間のレンジ下限割れの可能性?!
・米長期金利上昇本格再開までまだ時間必要。米株下落なら米長期金利さらに低下も?!

 
◆米ドル/円と米長期金利、米株の関係を考える

 1月半ば頃から、米ドル/円はすでに1か月以上、112-115円中心のレンジ相場が続いてきましたが、先週にかけてレンジの下限を割り込みそうな兆しも出てきました。そこで今回は、米ドル/円のレンジが変わるかについて考えてみたいと思います。

 先週末の米ドル/円は、週末終値が112円台前半で、昨年11月中旬以来、約3か月ぶりの米ドル安水準となりました。微妙に米ドルの上値が重く、米ドルがじり安になっているように見えますが、これをある程度説明できるのは日米10年債利回り差です≪資料1参照≫。つまり、米長期金利が先週にかけて低下傾向となり、金利差米ドル優位が縮小する中で、米ドルがじり安になっているわけです。
 米長期金利が低下傾向となったきっかけとしては、トランプ政権の閣僚発言などから税制改革期待が少し後退したこと、そして1月末FOMC議事録で、一部で注目されていた国債再投資終了がまだまだすぐにはなさそうだと確認されたことなどがあったでしょう。ではそんな米長期金利低下はさらに続くのでしょうか。

 米10年債利回りの90日MA(移動平均線)からのかい離率は、記録的な上がり過ぎがほぼ修正されました≪資料2参照≫。ただし、同じく米10年債利回りを5年MAからのかい離率で見ると、まだまだ上がり過ぎ懸念が強いといえそうです≪資料3参照≫
 ちなみに米10年債利回りは、1990年以降で見る限り、5年MAを20%以上も上回ったことはありませんでした。足元の5年MAは2.1%程度なので、以上からすると、米10年債利回りが月末終値で2.5%を完全に上回るといった具合に、上がり過ぎの本格再燃に向かうためには、5年MA自体がもう少し上昇するまで時間が必要なのではないでしょうか。

 ここまでの内容を整理すると、米ドルの行方を考える上で鍵を握っている米長期金利は、本格的に上昇が再開するまでにはまだ時間がかかりそうで、それまでの間にむしろもう少し低下する可能性の方が十分あるのではないでしょうか。かりにそんな米長期金利のさらなる低下となれば、米ドルもそれに連動し、この間のレンジ下限を割り込む可能性はあるでしょう。

 そんな米長期金利のさらなる低下のきっかけとしては、このところ記録的な続伸となっている米株の動きが引き続き注目ではないでしょうか。NYダウの90日MAからのかい離率を見ると、記録的な続伸を受けて、さすがに上がり過ぎ懸念が強くなってきました≪資料4参照≫
 上がり過ぎの修正で、米株下落リスクが高まるようなら、それが米長期金利のさらなる低下をもたらすことで、米ドル/円のレンジが米ドル安・円高方向へ下方修正されるきっかけになる可能性は注目されるのではないでしょうか。(了)

≪資料1 =米ドル/円と日米10年債利回り差(2016年7月-)≫
 
(出所:M2J FX投資判断インディケーター)

≪資料2=米10年債利回りの90日MAからのかい離率 (2000年-)≫
 
(出所:M2J FX投資判断インディケーター)

≪資料3=米10年債利回りの5年MAからのかい離率 (1990年-)≫
 
(出所:M2J FX投資判断インディケーター)

≪資料4=NYダウの90日MAからのかい離率(2000年-)≫
 
(出所:M2J FX投資判断インディケーター)

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