今週はこう動く! マーケット羅針盤

2017/01/23 09:34今週の注目通貨(米ドル/円)= トランプ新政権スタートの中、なぜ米ドルは下げ渋ったのか?

◆要約◆
・米ドル/円は112円台から、週後半は115円前後へ反発。これは引き続き米長期金利と連動。
・米景気好調、トランプ政権の保護主義も金利上昇要因になりやすい。

 
◆米新政権始動、米ドル/円はどうなる?
 
 いよいよ、20日に米トランプ新政権がスタートしました。ではこれを受けて、為替相場はどう動くかについて、改めて考えてみたいと思います。
 
 先週は、トランプ大統領が、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)とのインタビューで、米ドルは既に「強過ぎる」とし、中国が自国通貨を押し下げていることが一因だと述べたことが材料になったとして、一時112円台まで米ドル安・円高となりました。
しかし、その後は米ドル安・円高も伸び悩み、週後半は115円前後まで米ドル高・円安に戻すところとなりました≪資料1参照≫。ではそれはなぜか。
 
米ドル/円の動きは、引き続き日米10年債利回り差と相関性の高い状況が続きました≪資料2参照≫。その意味では、先週米ドル安・円高が伸び悩み、米ドル高・円安に戻ったのは、米長期金利が下げ渋り、週後半にかけてむしろ反発に向かったことで、金利差米ドル優位も再拡大したからと考えられます。では、なぜ先週、米長期金利は反発したのか。
一つには、純粋に先週発表された米景気指標が好調だった影響が大きかったのではないでしょうか。先週発表された主な8つの米景気指標(1月NY連銀景況指数、同フィラデルフィア連銀景況指数、12月消費者物価、同鉱工業生産、同設備稼働率、同住宅着工、同建設許可件数、1/7週の新規失業保険申請件数)のうち、事前予想より悪かったのは1つだけ、一方予想より良かったのは6つありました。米景気指標発表が好調な結果が多いと、やはり米金利は上がりやすいでしょう。
 
そして、20日にはいよいよトランプ新政権スタートとなりましたが、まず確認されたのは選挙戦からの公約だったTPP(環太平洋連携協定)からの脱退やNAFTA(北米自由貿易協定)見直しという保護貿易主義でした。このような保護主義も、基本的には金利上昇要因になりやすいものでしょう。
こういった中で、米長期金利が反発に向かうと、このところそれと連動性がきわめて高くなっている米ドル/円も反発に転じたということでしょう。
ただし、米長期金利は、たとえば90日MA(移動平均線)からのかい離率などを見ると、なお上がり過ぎ圏にあります≪資料3参照≫。その意味では、さらなる反発余地は限られ、むしろ上がり過ぎ修正に伴う低下への動きはまだ基本的に続いているということではないでしょうか。
 
そんな米金利低下の流れの中でも、これまで見てきたように米景気が好調で、またトランプ政権の政策も、むしろ金利上昇要因となりやすい面があるので、米金利低下も一辺倒の展開にはなりにくく、そうであれば、米ドル安・円高も、先週のこのレポートでの予想通り一本調子での展開にはなりにくいのではないでしょうか。(了)

≪資料1=米ドル/円の日足チャート (2016年9月末-)≫
 
(出所:M2J FXチャート)

≪資料2=米ドル/円と日米10年債利回り差(2016年7月-)≫
 
(出所:M2J FX投資判断インディケーター)

≪資料3=米10年債利回りの90日MAからのかい離率 (2000年-)≫
 
(出所:M2J FX投資判断インディケーター)

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