今週はこう動く! マーケット羅針盤

2017/01/03 09:45今週の注目通貨(米ドル円)=円安は2017年一杯続く見通し、ただ125円を超えられるかは米株次第

◆要約◆
・足元の米ドル高・円安基調は、少なくとも2017年中は、120円を超えるまで続く見通し。
・ただし、消費者物価購買力平価の125円を大きく超えられるかは、米株次第か。


◆米ドル/円の年間予想

 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

 今回は、2017年の米ドル/円の予想について考えてみたいと思います。

 米ドル/円は、2016年12月には一時119円近くまで大きく米ドル高・円安となりました。これにより、足元で108円程度の52週MA(移動平均線)を大きく米ドルは上回る結果となりました≪資料1参照≫。経験的に、このように52週MAを大きく上回る米ドル高・円安は中期的な基調転換の可能性が高そうです。

では中期的な米ドル高・円安とは、どのように展開するのか。過去5回の米ドル高・円安トレンドを調べたところ、最短で1年5か月、最低で米ドルは22%の上昇でした≪資料2参照≫。これを今回、2016年6月99円程度から始まった米ドル高・円安トレンドに当てはめると、少なくとも2017年中はドル高・円安が続き、120円を超えるといった計算になります。
 ところで、過去5回の米ドル高・円安トレンドの平均を計算すると、2年7か月続き、米ドル上昇率は47%でした。これを今回に当てはめると、米ドル高・円安は2019年にかけて145円程度まで続くといった計算になりますが、果たしてどうでしょうか?

 米ドル/円の消費者物価で計算した購買力平価は足元で125円程度です≪資料3参照≫。2015年に125円まで米ドル高・円安が展開した際も、この消費者物価の購買力平価は超えられませんでした。そもそも、それまでは、この消費者物価の購買力平価より米ドル安・円高になる生産者物価の購買力平価すら米ドル/円は大きく上回れなない状況が長く続いてきたことを考えれば、このまま一気に125円を大きく超えるのは簡単ではないのではないでしょうか。

 2017年から始まるトランプ新政権の経済政策、「トランプノミクス」は、レーガン政権の「レーガノミクス」に似ているとの見方がありますが、その「レーガノミクス」時代に、米ドル/円は消費者物価の購買力平価を1割程度も上回ったことがありました。「トランプノミクス」でも、消費者物価購買力平価を1割上回るなら130円台後半まで米ドル高が進むといった計算になりますが、それでも上述のような過去の米ドル高・円安トレンドにおける平均的米ドル上昇率に相当する145円まで届くのは難しいでしょう。

 今回の米ドル高・円安は、過去の平均を下回る程度に止まりそうだとすると、その理由は何か。それは、米ドルは依然として中期的な割高圏で推移しているため、続伸余地には自ずと限度があるということではないでしょうか。
 米ドルの総合力を示す実効相場の5年MAからのかい離率は、なお米ドルが中期的な割高圏にあることを示しています≪資料4参照≫。そんな割高な米ドル、そして昨年11月のトランプ氏の大統領選挙勝利以降顕著になった米金利の大幅な上昇に、米経済と米株がどれだけ耐えられるか、それが米ドルの2017年中の続伸余地を決めることになるのではないでしょうか。(了)

≪資料1=米ドル/円と52週MA (2000年-)≫
 
(出所:M2J FX投資判断インディケーター)

≪資料2=過去5回の中期米ドル高・円安トレンド≫
 

≪資料3=米ドル/円と購買力平価 (1973年-)≫
 

≪資料4=米ドル実効相場の5年MAからのかい離率 (1973年-)≫
 

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