今週はこう動く! マーケット羅針盤

2016/11/21 09:02今週の注目通貨(ドル円)=「トランプ・ラリー」もパターン通り、年内107円も割らず112-117円へ?!

◆要約◆
・「トランプ・ラリー」は大統領選挙後の相場では極端ではなく、むしろパターン通り。
・過去のパターンを参考にすれば、年内107円も割れず112-117円もありうる計算。

 
◆「トランプ・ラリー」は「ユーフォリア」なのか?!
 
 米大統領選挙でのトランプ氏勝利後に加速したドル高・円安は、先週はついに110円に乗せてきました≪資料1参照。このトランプ・ドル高、「トランプ・ラリー」について、「ユーフォリア」、つまり浮かれ過ぎではないかとの見方もあるようですが、果たしてどうでしょうか?

 実は、米大統領選挙後のこのような急激なドル高・円安は、これまでも何度か紹介してきたようにオバマ再選となった前回、2012年にも起こっていました。そして、方向は逆でしたが、オバマ氏が最初に当選を果たした2008年の大統領選挙後は急激なドル安・円高となりました≪資料2参照
 ちなみに、2000年以降の大統領選挙年について調べたところ、選挙の少し前、9月末時点のドル円の90日MA(移動平均線)からのかい離率は今年2016年も含めて±1-2%といった具合に極めて小幅でした。ところが、選挙後から年末までの間に、同かい離率は全て5%以上に急拡大しました。
 これは、大統領選挙の年のドル円は、選挙前は小動きながら、選挙後は一方向に大きく動くことが繰り返されてきたことを示しており、その意味では今回の「トランプ・ラリー」もほぼこれまでのパターン通りの結果ともいえるでしょう。
 前回の選挙後のドル高は「オバマ・ラリー」とは呼ばれず、むしろ「アベノミクス円安」と呼ばれましたが、今回の「トランプ・ラリー」が90日MAからのそれと同じほどかい離率拡大となった場合、年末までに112円までドル高・円安になる計算です。
 また、前々回の大統領選挙後のドル急落は「オバマ・ショック」との呼び名より、「リーマン・ショック」として記憶されているでしょう。いずれにしても、今回ドル円がそんな「リーマン・ショック」と同じほど90日MAからのかい離率が拡大するなら、年末までに117円程度までドル高・円安が進む計算になります。

 以上のように見ると、今回の「トランプ・ラリー」と呼ばれるドル高加速は、大統領選挙後の動きとしては決して極端なものではなく、むしろパターン通りといえそうです。その意味では「ユーフォリア」というほどではないのではないでしょうか。
 ちなみに、2000年以降の大統領選挙後のドル円の年末時点の90日MAからのかい離率は最小でも4%でした。これを参考にするなら、急加速した「トランプ・ラリー」がさすがにこの後調整に転じることはあるとしても、年末時点の90日MAからのかい離率が4%以上だとしたら、ドル円は107円以上で推移しているとの見通しになります。
 ドルは本当にもう年内107円すら割れないのでしょうか。そうであってもおかしくないと感じさせる一つの根拠は、ドル円のポジションです。CFTC統計の投機筋のドル円ポジションは、これだけ急激なドル高・円安が進んだにもかかわらず、先週の時点でなお2万枚の円買い・ドル売りに傾斜していました≪資料3参照
 急激なドル高に、ドル買い戻しがまだ追いついていないようですから、ドルの反落は限られるのではないでしょうか。(了)

≪資料1=ドル円と90日MA(2016年-)≫
 
(出所:M2J FX投資判断インディケーター)

≪資料2≫
 

≪資料3=ドル円のポジション(2016年10月18日以降)≫
 
(出所:「毎日くりっく!365」)

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【マーケットスクウェア】
先週金曜日のマーケットスクウェアのタイトルは、「『トランプノミクス』と『レーガノミクス』」です。動画をお見逃しの方は是非ご覧ください。

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