今週はこう動く! マーケット羅針盤

2016/11/07 09:39今週の注目通貨(ドル円)=「もしトラ」パニックには警戒、ただドル安・円高持続力には限度も?!

◆要約◆
・ドル安・円高再燃は、米大統領選挙の不透明感により米早期利上げ観測後退が主因。
・大統領選の結果を受け90日MAサポートに注目。ドル安・円高の持続力には限界あり?

◆ドル安・円高再燃の理由と今後の見通しについて

 ドル円は先週、105円から103円割れへドル円反落となりました。なぜ大きくドル安・円高に戻したのか、この先どうなるかについて今回は考えてみたいと思います。

 ドル安・円高に戻したのは、米早期利上げ観測が後退し、米金利が低下したことが大きいでしょう。米金融政策を反映する2年債利回りは10月27日をピークに、先週は大きく低下となりました≪資料1参照≫
 そしてこのような米利上げ観測後退をもたらしたのは、米大統領選挙の見通しが不透明になった影響だったでしょう。クリントン候補の「メール問題」が再燃したのは、まさに10月28日でしたが、その日から米2年債利回りは急低下に向かったわけです。
 先週発表された米景気指標は、米11月雇用統計の平均時給などいくつか予想を上回るものがあり、またFOMCも12月利上げの考えが強いとの理解に変わりなかったようです。にもかかわらず、米2年債利回りが低下の一途をたどったのは、「もしトラ」、もしもトランプ大統領誕生となったら、12月利上げは出来ないとの見方を示しているでしょう。

 ドルは、米早期利上げ観測に伴う米金利上昇をきっかけに、10月に入ってから今年初めて90日MA(移動平均線)を上抜けると、一時105円まで一段高となりました≪資料2参照≫。上述のように、そんな早期利上げ観測が後退する中で、足元102.75円程度の90日MA近くまでドル円反落となりましたが、いよいよ8日に行われる米大統領選挙の結果を受けて、この90日MAをサポートできるかが、目先の大きな分岐点といえるでしょう。
 また、10月に入りドル高・円安が大きく進み始めると、円の総合力を示す実効相場も、今年初めて90日MAを下抜ける展開となりました≪資料3参照≫。先週の円高により、円実効相場も90日MA近辺まで戻してきましたが、ドル円だけでなくクロス円も含めてさらに円全面高が広がるか、こちらも大きな分岐点に差し掛かっているといえそうです。

 では、「もしトラ」が実現するなどにより、米12月利上げ観測が後退、一段と米金利低下に向かうようなら、ドル安・円高はどこまで進むのでしょうか。マーケットが「まさか」と思っていたことが現実になったのは6月のBrexitショックがありましたが、この時は一日で最大7円、終値でも3円以上のドル急落となったので、「もしトラ」直後のパニックには警戒する必要があるでしょう。
 ただ、10月からドル高・円安が今年初めて90日MAをブレークし、円実効相場も90日MAを割り込む動きになったのは、円の買われ過ぎ、ドル下がり過ぎということが根本にあったでしょう≪資料4参照≫。それ自体はなお大きく変わっていないので、その意味ではドル安・円高の持続力には自ずと限度があるのではないでしょうか。(了)

≪資料1=過去一か月の米2年債利回り≫
 
(出所:ブルームバーグ)

≪資料2=ドル円と90日MA(2016年―)≫
 
(出所:M2J FX投資判断インディケーター)

≪資料3=円実効相場と90日MA(2016年-)≫
 
(出所::M2J FX投資判断インディケーター)

≪資料4=CFTC統計の円ポジション(2013年―)≫
 
(出所:M2J FX投資判断インディケーター)

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【マーケットスクウェア】
先週金曜日のマーケットスクウェアのタイトルは、「米大統領選挙のここに注目!」です。動画をお見逃しの方は是非ご覧ください。
 http://m2tv.m2j.co.jp/fxmarketsquare/20161104-2.html

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