今週はこう動く! マーケット羅針盤

2016/10/31 09:21今週の注目通貨(ドル円)=リスクオフ一段落の円安の行方を左右する「ヒラリー・ショック」の影響?!

◆要約◆
・105円までの円安は、原油反発などリスクオフ一段落を受けた行き過ぎた円高の修正か。
・リスクオフ一段落なら年末にかけさらなる円安も。ただ「ヒラリー・ショック」要注意。

 
◆10月に入り円安が大きく広がったのはなぜか?
 
 ドル円は先週一時105円台までドル高・円安となりました。なぜ、このように10月に入ってからドル高・円安が続いてきたのか、そしてこれはさらに進むかについて、今回は考えてみたいと思います。

 最近にかけてのドル高・円安で注目されたのは、それが今年に入ってから初めて、完全に90日MA(移動平均線)をドルが上回る動きになったということです≪資料1参照≫。そして、その中で円の総合力を示す実効相場は、やはり今年初めて90日MAを大きく下回り始めたのです≪資料2参照≫
 このように90日MAとの関係で見ると、最近にかけてのドル高・円安は今年初めての動きであり、そしてやはり今年初めての円安が展開しているということになるわけです。

 ところで、こんなふうに米大統領選挙が近付く中で、ドル円が90日MAを完全に上回り始め、そして円実効相場が90日MAを完全に下回り始めたのは、じつは前回、2012年の大統領選挙の局面も基本的に同じでした≪資料3参照≫
 そんな2012年は、大統領選挙が終わると円は一段の全面安に向かいました。結果的には、この年の12月に安倍自民党政権が誕生し、アベノミクスの円安・株高が急拡大に向かった影響が大きかったでしょう。
 2012年の米大統領選挙前の円安の90日MAブレークは、結果的にはアベノミクス円安の先取りとなりました。では今回、この10月に入ってからの円安の90日MAブレークはどんな意味があるのか。

 ドル円の52週MAからのかい離率を見ると、あの6月Brexit後の100円割れとなった動きは、記録的なドル下がり過ぎでした≪資料4参照≫。裏返せば記録的な行き過ぎた円高だったわけです。
 今年に入り、中国株の暴落、原油価格の暴落、そしてBrexit(英国のEU離脱)騒動といった具合に世界経済への不安要因が続出しました。そう言った中で120円台から100円割れまで円高となった動きは、リスクオフの影響も大きかったでしょう。
 しかし夏以降、中国株も比較的安定した動きとなり、原油相場に至っては30ドル割れから50ドルまで大きく反発しました。そして2016年最後の究極のリスクオフ、「トランプ米大統領」誕生の可能性も低下しました。こういった中で、リスクオフから行き過ぎた円高となっていた動きの修正が本格化すると、上述のように90日MAブレークとなったのではないでしょうか

 28日、FBIがクリントン候補の捜査を再開すると発表したことで、「トランプ大統領」誕生の可能性が再浮上するなら、上述の究極のリスクオフ・シナリオへの警戒で、これまで述べてきた行き過ぎた円高修正は一段落となるかもしれません。
 それとも、「究極のリスクオフ」が再燃することがないなら、行き過ぎた円高修正は年末にかけて一段の円安をもたらす、結果的には前回、2012年の大統領選挙後と似た展開になる可能性もありそうですが、果たしてどうか?(了)

≪資料1=ドル円と90日MA(2016年-)≫
 
(出所:M2J FX投資判断インディケーター)

≪資料2=円実効相場と90日MA(2016年-)≫
 
(出所:M2J FX投資判断インディケーター)

≪資料3=円実効相場と90MA(2012年)≫
 
(出所:M2J FX投資判断インディケーター)

≪資料4=ドル円の52週MAからのかい離率(2000年-)≫
 
(出所:M2J FX投資判断インディケーター)

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 http://m2tv.m2j.co.jp/fxmarketsquare/20161028.html

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