今週はこう動く! マーケット羅針盤

2016/09/12 09:35今週の注目通貨(ドル円)=金利急騰、株急落なら為替はどう動く?まずはポジションに注目か?!

◆要約◆
・金融緩和限界論をきっかけに歴史的な金利下がり過ぎの本格修正が始まった可能性は注目。
・債券・株同時安となった場合、為替への影響はポジションに注目。円は買い越し圧縮か?

 
◆金利急騰はなぜ起こり、これからどうなる?

 8日ECB追加緩和見送りをきっかけに、独10年債利回りがプラスを回復するなど、世界的な長期金利急上昇となっています≪資料1参照≫。ではなぜこのようになったのか、今後の展開はどう考えたら良いか、そして株や為替への影響はどうかといったことについて、今回は考えてみたいと思います。

 上述のように先週後半から急上昇となった独10年債利回りですが、5年MA(移動平均線)からのかい離率を見ると、空前の下がり過ぎが展開していました≪資料2参照≫。その意味では、最近にかけての独10年債利回り急上昇は、いよいよそんな記録的下がり過ぎ修正が始まった動きなのかが最大の焦点ではないでしょうか。
 このような独10年債利回りの記録的な下がり過ぎが本格化したのは、2014年以降、ECBがユーロ圏のデフレ転落回避のために国債購入やマイナス金利政策採用により金融緩和を一段と強化した頃からでした。
 8日のECB会合で追加緩和見送りになったことを一つのきっかけに、このようなECBによる歴史的な金融緩和がいよいよ限界に達しつつあるのではないかとの見方が再燃しました。こういった中で、歴史的な金融緩和に主導された歴史的な金利低下も本格的な修正に向かい出した可能性は気になるところです。

 ちなみに、独10年債利回りの5年MAは足元で1%程度ですから、記録的な下がり過ぎの修正が本格的に始まっているなら、独10年債利回りは1%を超える水準に向かう上昇が始まっている可能性があるわけですが、果たしてどうでしょうか。
 それにしても、このような先週後半からの長期金利の急上昇は、独に限ったことではなく、世界的な動きとなっています。これは、あくまで一時的なものにとどまるか、それとも記録的な下がり過ぎの本格的な修正に向かうのか。それを考える上では、21日予定の日銀金融会合は、金融緩和限界論への対応として大きなヤマ場になるのではないでしょうか。

◆金利急騰で株、為替への影響は?

 金利急騰が、株や為替にどのように影響するかについて、次は考えてみたいと思います。

 まず株式市場では、これまで見てきたように歴史的な金利低下が展開する中で、たとえばNYダウなど米株は最高値を更新する展開が続きました≪資料3参照≫。その意味では、もしも金利が下がり過ぎの本格的な修正で大幅な上昇に向かうなら、それをきっかけに株高の修正がどこまで進むかは要注意ではないでしょうか。
 9日のNYダウは約400ドルの大幅安となりましたが、さらに金利上昇、株安が広がるようなら、為替はどうなるか。リスク回避で安全資産とされる円は買われることになるのでしょうか。ただCFTC統計によると、円はすでにかなり大幅な買い越しになっています≪資料4参照≫

 債券という代表的な安全資産が売られ、一方株という代表的なリスク資産も売られるということになった場合、お金はどこに向かうのでしょうか。不確実な展開が続く見通しのリスク回避の場合は、ポジションの圧縮、現金化が基本でしょう。そう考えれば、債券・株同時安が展開した場合は、最近の状況なら円買い越しの縮小で円売りではないでしょうか。(了)

≪資料1=過去一か月の独10年債利回りの推移≫
 
(出所:ブルームバーグ)

≪資料2=独10年債利回りの5年MAからのかい離率≫
 
(出所:M2J 投資判断インディケーター)

≪資料3=NYダウと5年MA(1990年1月-2016年8月)≫
 
(出所:M2J 投資判断インディケーター)

≪資料4=円のポジション(2010年以降)≫
 
(出所:M2J FX投資判断インディケーター)

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