今週はこう動く! マーケット羅針盤

2016/09/05 09:17今週の注目通貨(ドル円)=NFP予想以下でもなぜドル高・円安?一か月以内108円前後の可能性?!

◆要約◆
・注目の米8月雇用統計が予想以下でもドル高・円安になったのは「行き過ぎ」の反動が主因?
・「行き過ぎ」注目なら、米9月利上げ有無とは別に一段とドル高・円安の可能性も?!


◆なぜ8月雇用統計が予想より悪くてもドル高・円安になったのか?

 注目された米8月雇用統計は、NFPが事前予想の18万人増を下回る15.1万人増にとどまりました。これを受けて、ドルは一旦103円割れへ下落しましたが、すぐに反発に転じ、結局は104円前後へドル高・円安となりました。
 では、なぜ注目の雇用統計が予想より悪い結果でもドル高となったのか、そしてこの先はどんな展開が予想されるかについて、今回は考えてみたいと思います。

 CFTC統計によると、雇用統計発表前の8月30日現在の円のポジションは6.3万枚の大幅な買い越しとなっていました≪資料1参照≫。経験的に、6万枚超の買い越しは、「買われ過ぎ」懸念が強いといえます。その意味では、雇用統計が予想より悪くてもドル高・円安になったのは、そもそもドル売り・円買いが「行き過ぎ」で、その反動が入りやすい影響があったのではないでしょうか
 「行き過ぎ」という点で、もう一つ注目されたのはドルの対円下がり過ぎということです。ドル円の52週MA(移動平均線)からのかい離率は、一時あの2008年リーマンショック以来のドル円下がり過ぎとなりました≪資料2参照
 そんなリーマンショックのドル円下がり過ぎは、修正局面に入ると、8週間過ぎた頃からドル円反発が加速する展開となりました≪資料3参照。このパターンを参考にすると、今回も下がり過ぎ修正のドル円反発は勢い付く時期に入っている可能性があります
 以上のように見ると、注目の米8月雇用統計が予想より悪かったにもかかわらず、直後にドル高・円安になったのは、円「買われ過ぎ」、ドル円「下がり過ぎ」といった具合に、そもそも短期的にドル安・円高が行き過ぎで、その反動が入りやすい状況にあった影響が大きかったのではないでしょうか。

◆今後一か月のシナリオとは?

 ここで一息入れて、今回の雇用統計の結果で、米9月利上げがあるかについて考えてみましょう。報道を見る限り、それについてはなお見方が分かれているのでしょう。たとえば、一部報道にはこんな株式市場関係者のコメントがありました。
 「今回の雇用統計が9月の利上げ確率を低下させたことに疑いの余地はないが、9月が選択肢から完全に外れたとはいえないだろう」、「為替および信用市場は9月利上げの可能性をまだ排除していないようだ」(3日付けブルームバーグ)。
 雇用統計が発表された2日、ドルは下落したものの、米株は上昇しました。これは、上述の株式市場関係者のコメントのように、為替と株で雇用統計を受けた9月利上げについての見方が異なった可能性を示しているかもしれません。
 ただ別な見方をすれば、為替市場では、株式市場以上に、米早期利上げ観測後退に反応しにくくなっているということを、今回の雇用統計後の結果は示したということなのかもしれません。要するに、短期的には、先に見てきたようにドル安・円高材料に反応しにくくなっている可能性があったということです。
 ドル円下がり過ぎというテーマで、過去の似た局面を参考にすると、その反動のドル高・円安は加速しやすい時間帯に入っており、今後一か月程度で108円前後へ一段とドル高・円安が広がるといった見通しになります。
 そんな今後一か月の間には、注目の9月21日FOMC、そして日銀金融会合も予定されていますが、それらを見極めながら、下がり過ぎ修正のドル円反発が、過去のパターンに近い形で展開するかを注目したいと思います。(了)

≪資料1=円のポジション≫

(出所:M2J FX投資判断インディケーター)

≪資料2=ドル円の52週MAからのかい離率≫

(出所:M2J FX投資判断インディケーター)

≪資料3≫

(出所:Bloomberg)

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