今週はこう動く! マーケット羅針盤

2016/08/15 08:54今週の注目通貨(高金利のクロス円)= ドルストレートに続く「資産運用FX」第2弾の可能性注目

◆要約◆
・「資産運用FX」第1弾ドルストレート買いに続く「第2弾」高金利のクロス円買い?
・クロス円も割安拡大。中期円高余力の見極め次第で金利優位性高い通貨から買い注目?!


◆個人投資家の中期買いの2大条件は金利差と中期割安感

 私は昨年秋以降、個人投資家が中期の買い(資産運用FX)で取引しやすい通貨選択は、米ドルより金利の高い外貨の対米ドル取引、いわゆる「ドルストレート」ではないかとの考え方を述べてきました。これは、金利差優位と中期的な割安感という個人投資家の中期的な買いを考える上でとくに重要な2点を満たしている可能性があることが主な理由でした。
 この「ドルストレート買い」という通貨選択は、私はまだ引き続き機能すると考えています。上述の2つの要因が基本的には変わっていないからです。ただそれに加えて、ここに来て新たに、個人投資家が中期買いで取引しやすい通貨選択第2弾として、「高金利のクロス円買い」が機能する可能性が近付いてきたのではないかと考え始めています。
 理由はシンプルです。中期的な割安感という点では、ドル安・円高トレンド終了が見極められるまでクロス円の買い(円売り)はドルストレートの買い(ドル売り)よりリスクがあり、その分金利差のより高い優位性(高金利)が必要となります。あとは、そのドル安・円高トレンドがまだまだ続くのか、それともそろそろ最終局面に近付いているかの見極め。後者であるなら、個人投資家の中期買いの要因を満たすことになるでしょう。

 そこで今回は、M2Jで取り扱っている高金利のクロス円として、南アフリカランド円とトルコリラ円を取り上げて、なぜ私がそのように考え始めているかについて述べてみたいと思います。
 ランド円、リラ円はともに、2014年12月頃の高値から、これまでのところ2016年6月まで下落しました≪資料1、2参照≫。最大下落率は40%前後にも達しました。ではなぜこの2通貨ペアは4割前後もの大幅な下落となったのか。
 この2通貨ペアについて、2005年以降の5年MA(移動平均線)との関係を見ると、高値を付けた2014年12月頃はランドもリラもかなり割高圏にありました≪資料3、4参照≫。その意味では、その後の大幅下落は、割高修正の結果が一つの理由だったでしょう。
 この5年MAとの関係を見ると、最近にかけての大幅下落を受けて、さすがに足元ではランドもリラもかなり割安になってきたようです。
ランドもリラも、金利差は足元でも円より7%以上といった具合に大幅な優位にあります。それでも、割高圏からの下落が本格化すると、さすがに金利差での吸収にも限界があるわけですが、割安圏に達し、続落余地が限られる可能性が出てくると、大幅な金利差のトータル収支への影響力の期待は相対的に高くなっているでしょう。
ちなみに、同じクロス円でも比較的金利差優位が小幅に過ぎない豪ドル円も、2014年12月頃からの大幅な下落により豪ドルが対円で割高圏から割安圏に達したという点では、これまで見てきた高金利のクロス円と基本は同じです≪資料5参照≫
ただ「割安になった」ということはもちろん「もう下がらない」という意味とは違うわけですから、続落リスクの吸収力の観点では、より金利差の大きい通貨ペアから中期の買いを検討することになるのが基本ではないでしょうか。

◆今年の円高でクロ円も割安拡大=円高の見極め次第で高金利外貨から買い注目

 これまで見てきたクロス円はほぼ2014年12月頃に高値を付け、そしてこれまでのところ2016年6月頃に安値を付けていました。これは円の総合力を示す実効相場の転換点とおおむね一致します。以上からわかるのは、クロス円の中期トレンドでは、ランドやリラや豪ドルより、円の影響がこれまで大きかったということです。
 その円実効相場と5年MAとの関係を見ると、記録的な円割安が修正され、足元では中立圏に戻りました≪資料6参照≫。これから円高が進むなら、割安の反動ではなく、割高を拡大する結果ということになります。
 記録的な割安圏からの反動の円が、勢い余って割高に振れることは当然警戒する必要があるでしょう。そうであれば、上述のように「クロス円の中期トレンドには円の影響が大きい」という前提の上では、クロス円の続落リスクにはなお警戒が必要で、中期買いを検討する上では金利の優劣が重要になるでしょう。
 さらに重要なのは、「クロス円の中期トレンドには円の影響が大きい」という前提からすると、円高余力の見極めでしょう。要するに、ドル安・円高はたとえば90円を割れてまだまだ続くのか、それとも90円は割れずすでに最終局面なのか。
 前者であれば、そもそも金利の優劣にかかわらず、クロス円の中期の買いはまだまだ検討する段階にないのかもしれません。ただ後者であれば、「金利を味方とする」、「下がったところで買う」などの条件付きながら、中期買いを検討する局面が近付きつつあるでしょう。

 論理的にいえば、割高な通貨は下落余地が大きく、元の水準に戻るまで長い時間がかかりそうであるのに対し、割安な通貨は下落余地が限られ、元の水準に戻るまでにそれほど時間がかからないでしょう。
 金利の高い通貨は、それだけで中期の買いの条件を満たしていますが、それに加えて中期的に割安になったかの見極めがきわめて重要でしょう。今年に入ってから大きく円高が進んだことで、いよいよ対円でも個人投資家が中期の買いを検討できる通貨選択が近付きつつある可能性を私は注目しています。(了)

≪資料1≫

(出所:M2J FX投資判断インディケーター)

≪資料2≫

(出所:M2J FX投資判断インディケーター)

≪資料3≫

(出所:M2J FX投資判断インディケーター)

≪資料4≫

(出所:M2J FX投資判断インディケーター)

≪資料5≫

(出所:M2J FX投資判断インディケーター)

≪資料6≫

(出所:M2J FX投資判断インディケーター)

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