今週はこう動く! マーケット羅針盤

2016/07/18 11:29今週の注目通貨(トルコリラ円)=ドル円次第ながらリラ円は30円前後で底入れの可能性も?!

◆要約◆
・トルコリラ円は先週末クーデター懸念から一時34円台へ急落。
・ただ5年MAや購買力平価との関係ではかなりリラ割安に。中期的底値は30円前後か?!

◆中期的なリラ円の見通しを考える

 先週金曜日、トルコでクーデターが発生するとトルコリラは急落、対円でも36円台後半から一気に34円台前半へリラ安・円高となりました≪資料1参照≫。その後、クーデターが未遂に終わったとの見方が強まる中で、週明けのリラ円は35円台後半まで急反発しましたが、今回はこんな具合に乱高下となったリラ円の見通しについて考えてみたいと思います。
 
短期的な乱高下とは別に、昨年からのリラ円を見ると50円超の水準から、今年6月下旬のいわゆる「英国ショック」後には一時33円割れ寸前までリラ安・円高が続いてきました≪資料2参照≫。ではこのリラ安・円高はまだ続くのでしょうか。
 
リラ円の5年MA(移動平均線)からのかい離率を2005年以降でみると、マイナス30%
〜プラス10%の範囲を中心に推移してきました≪資料3参照≫。足元の5年MAは46円程度なので、かい離率マイナス30%で計算すると32円程度になります。
 
以上のように5年MAとの関係でみると、50円超から33円までのリラ安・円高の動きは、リラ割高が修正された動きであり、33円は逆にかなりリラ割安になったといえそうです。
 
2005年以降でみると、リラ円の5年MAからのかい離率がマイナス30%以上に拡大した局面は、2011年後半中心に、同かい離率がマイナス40%程度まで拡大したことがありましたが、基本的には限られました。
 
同かい離率が当面においてマイナス30%まで拡大すると32円程度、マイナス40%まで拡大すると28円程度といった計算になります。以上を参考にすると、リラ円は30円前後で中期的に底入れする可能性があるのではないでしょうか。
 
もう一つ違った角度からも考えてみましょう。2005年以降のリラ円の下落局面でも、日本とトルコの生産者物価で計算した購買力平価を大きくリラが下回ることにはなりませんでした≪資料4参照≫。そんなリラ円の購買力平価は足元で30円程度。この観点でも、リラ円は30円前後で底入れする可能性がありそうです。
 
リラ円が今年5月までで大きく下落したのは1月と2月でした≪資料5参照≫。一方で、ドル円は2月が下落月のトップ、1月は第3位でした。また、リラ円が最も下がらなかったのは3月でしたが、その3月はドル円も比較的下落が限定的にとどまった月でした。
 
こんなふうにみると、リラ円にはドル円の影響が大きいことが再確認できるでしょう。これは、リラ円がトルコリラ米ドルとドル円の組み合わせであることからすると当然でしょう。
 
以上をまとめると、ドル安・円高トレンドが続く中ではリラ円も続落リスクが残る可能性がありますが、逆にいえばドル安・円高トレンドが終了すれば、リラ円も30円前後で中期的な底入れとなる可能性があるのではないでしょうか。(了)

≪資料1≫

(出所: M2J FX Chart Square)
≪資料2≫

(出所: M2J FX Chart Square)
≪資料3≫

≪資料4≫

(出所:Bloomberg)
≪資料5≫

(出所:Bloomberg)

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