今週はこう動く! マーケット羅針盤

2016/07/11 09:54今週の注目通貨(ドル円)= NFP大幅増でも上がらないドルはもっと下がる?!この相場の鍵とは?

◆要約◆
・6月NFP大幅増、米株大幅高でもドル安・円高続いた動きは、米長期金利低下と連動か?
・ドル「下がり過ぎ」、円「買われ過ぎ」反転は「意外な長期金利低下」が鍵か?!

◆なぜNFP大幅増でもドル高にならなかったのか?

8日発表された米6月NFPは、28万人といった具合に予想を大きく上回る増加となりました。それでもドル円は、発表直後こそ101円台へドル急騰となったものの、その後は逆に100円割れへドル急反落となる場面さえありました≪資料1参照≫

なぜ注目のNFPが予想よりかなり良かったのに、ドルは上がらなかったのか。米雇用統計が良くても上がらないなら、ドルは今後さらに一段安へ向かうのか、そういったことについて今回は考えてみたいと思います。

今回の雇用統計の結果を受けて、米利上げ観測は少し回復したようです。金融政策を反映する米2年債利回りは久しぶりに0.6%まで上昇しました≪資料2参照≫。いわゆる「英国ショック」の後、「年内米利上げなし、むしろ利下げの可能性も」といった見方も浮上しましたが、それには修正が入ったようです。

ただし、その中でも米株は大幅高となり、この日NYダウは1万8千ドルの大台を大きく上回りました≪資料3参照≫。これは、予想より良かった雇用統計の結果に示されるように、米経済はそこそこ好調だが、一方で早期利上げへの警戒もないことを受けた株高ということでしょうか。

以上のように考えると意外な感じになるのは長期債の動きではないでしょうか。米10年債利回りはこの日も低下し、過去最低を更新となりました≪資料4参照≫米経済が比較的好調で、米株高も続く中で、なぜ長期債利回りは低下が続いたのでしょうか

これについて、市場関係者のこんなコメントがありました。「世界的に十分な利回りが得られない中で、長期金利への需要が極めて高くなっている」(9日付けブルームバーグ)。歴史的な金利低下局面においては、景気や株との関係では説明が困難であっても、「需要があるから」といった理由で長期金利低下は続くのでしょうか

ドル円は52週MA(移動平均線)からのかい離率などで見ると、すでに2008年リーマンショックに肩を並べるほどのドル下がり過ぎになっています≪資料5参照≫NFPが予想よりかなり良くても、なおドル下がり過ぎが続いた動きを、8日について説明できるのは米長期金利低下でしょう。その意味では、さらにドル下がり過ぎが続くかは、米長期金利低下が続くかについて注目したいと思います。

CFTC統計によると、投機筋の円買い越し(米ドル売り越し)は先週にかけて再び6万枚以上に拡大し、かなりドル売り・円買いの「行き過ぎ」懸念が強くなっているようです≪資料6参照≫。そんな行き過ぎたドル売り・円買いがさらに続くかの鍵も、米長期金利の動きが握っているのではないでしょうか。(了)

≪資料1≫
 
(出所:Bloomberg)
≪資料2≫
 
(出所:Bloomberg)

≪資料3≫
 
(出所:Bloomberg)

≪資料4≫
 
(出所:Bloomberg)

≪資料5≫
 
≪資料6≫
 
(出所:Bloomberg)

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【マーケットスクウェア】
先週金曜日(7/8)は、「米効用統計と来週の注目点」について解説いたしました。
動画をお見逃しの方は是非ご覧ください。

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