今週はこう動く! マーケット羅針盤

2016/06/20 10:27今週の注目通貨(ドル円)= Brexitリスク回避の円高はクライマックスへ?!

◆要約◆
・円高は「行き過ぎ」。102円はありえるが、いつクライマックスを迎えてもおかしくない。
・昨年の125円から100円でドル下落率2割。まだドル安・円高トレンド完了ではない?!


◆Brexitでドル安・円高はどうなるか?

 ドル円は先週、5月に記録した105.5円のドル安値を更新すると、一気に103円台までドル安・円高が広がりました。英国のEU離脱、Brexitのリスク回避で円買いが殺到した影響が大きかったでしょう。

今週は23日に、いよいよ英国の国民投票が行われますが、それをにらみながら円高が一段と進む可能性はあるかについて、今回は考えてみたいと思います。

リスクオフで円全面高となりましたが、すでに円高もかなり行き過ぎ懸念が強くなっているようです。円の総合力を示す実効相場は、90日MA(移動平均線)からのかい離率がプラス7%程度まで拡大してきました≪資料1参照≫。経験的には、これは短期的には円高の行き過ぎ懸念が強くなっていることを示しています。

同かい離率がプラス10%以上に拡大したのは2008年のリーマンショック前後で円全面高となった局面でした。リーマンショックは究極のリスク回避局面でした。以上を参考にすると、今回のBrexitが「第2のリーマンショック」といった究極のリスク回避再燃となればさらなる円高の可能性はあるでしょうが、そうでなければ逆に行き過ぎた円高の修正が起こる可能性もあるのではないでしょうか。

CFTC統計によると、投機筋の円買い越しは先週にかけて5万枚以上に急増しました≪資料2参照≫。これも今回のリスク回避で円買いが殺到したことを確認するものですが、経験的には5万枚を超える買い越しは「買われ過ぎ」の可能性を示すものだけに、さらなる円買い拡大には自ずと限界があるのではないでしょうか。

それでも、Brexitをきっかけに「第2のリーマンショック」のように究極のリスク回避に向かうなら、「行き過ぎ」とはいえ円高はさらにどこまで進む可能性があるのか。

たとえば、ドル円の52週MAからのかい離率はリーマンショック前後に最大でマイナス13%程度まで拡大しました≪資料3参照。これを参考にすると、今回の場合102円程度まで一段と円高の「行き過ぎ」が拡大する可能性はあるといった計算にはなります。

これまで見てきたように、円買いも、円高もかなり「行き過ぎ」懸念が強くなっている可能性があるので、今回のBrexitがどのような結果になっても、円高はいつクライマックスと言ってもおかしくない段階にあるのではないでしょうか。
 それにしても、昨年6月の125円から展開してきたドル安・円高におけるドル下落率は、100円でようやく2割に達する計算です。過去4回のドル安・円高トレンドにおいて最低のドル下落率でも25%ですから、それを参考にすると、上述のように近く円高がクライマックスを迎えても、それはドル安・円高トレンドの完了を意味するものではないのではないでしょうか。(了)

≪資料1≫
 
≪資料2≫

(出所:毎日くりっく!365)
 
≪資料3≫

= = = = = = = = = = = = = = = = =


※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。

※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

バックナンバー

「今週はこう動く! マーケット羅針盤」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ