今週はこう動く! マーケット羅針盤

2016/06/06 09:44今週の注目通貨(ドル円)= ドル安・円高再燃、ただし一気に105円割れに向かうかは「?」

◆要約◆

・「NFPショック」でドル安再燃。円も「買われ過ぎ」修正で円買い拡大余力を回復。
・ただ対円のドル「下がり過ぎ」修正にはなお時間がかかる可能性も?

◆当面のドル安・円高の行方を考える

3日発表の米5月雇用統計で、注目のNFPが予想を大きく下回り、2010年9月以来の小幅な増加、わずか3万人の増加にとどまったことをきっかけに、米金利大幅低下でドルも急落、ドル円も106円台のドル安・円高となりました。では、ドル円はこのまま5月に記録した105.5円のドル安値更新に向かうかについて、今回は考えてみたいと思います。

ところで、怒涛のドル安・円高が105.5円まで進んだのは、日本のゴールデンウィーク中のことでした。かろうじてそこで止まり、その後一時111円までドル高・円安へ戻すところとなったわけですが、それをもたらしたのは何だったか。

結果としては、5月中旬から発表された米景気指標が予想より良いものが目立ってきたことなどをきっかけに、米早期利上げ観測が急浮上したことが大きかったでしょう。ただ、5月上旬に105円台からドル高・円安に反転した具体的なきっかけになると特定できるものがあったでしょうか。

105円台で怒涛のドル安・円高が一段落し、反転に向かったのは、円の「買われ過ぎ」や、ドル「下がり過ぎ」の反動といったすこぶる相場特有の事情が大きかったのではないでしょうか。

CFTC統計によると、投機筋の円買い越しは105円台までドル安・円高が進んだゴールデンウィーク頃には6-7万枚程度と過去最高規模に拡大しました≪資料1参照≫。そしてドル円の52週MA(移動平均線)からのかい離率は、マイナス10%前後に拡大し、経験的にかなりドル下がり過ぎ懸念が強くなっていることを示していました≪資料2参照≫

ところが、その後一時111円台までドル高・円安に戻る中で、投機筋の円買い越しは、先週は1.4万枚まで縮小しました。円の「買われ過ぎ」は、かなり修正されたようです。では、「NFPショック」を受けた米利上げ観測後退をきっかけに、ドル売り・円買いは一段と拡大に向かい、一気に5月の105.5円のドル安値更新となるでしょうか。

5月に急激なドル安・円高が一息ついたもう一つのきっかけは、これまで述べてきた中ではドル「下がり過ぎ」の可能性ということがありました。そこで、この観点から再開したドル安・円高の行方について考えてみたいと思います。

5月初めにかけて105円台まで一気にドル安・円高が進む中で、ドル円の52週MAからのかい離率はマイナス10%程度に拡大しました。ところでこれは2008年以降では2008年3月、12月、そして2010年10月といった3回程度しかなかったことでした。ではこの3回は、その後どんな展開を辿ったか。

この3回は、ドル下がり過ぎの修正を経て、再びドル安値を本格的に更新するまでには半年以上といった具合にかなり長い時間がかかっていました。これを参考にすると、「NFPショック」を受けたドル安・円高の再燃で、あの5月の105.5円を更新することがあっても、105円を大きく割り込むかは微妙ではないでしょうか。

以上のように、私はドル「下がり過ぎ」修正を経たドル下落再開が、当面のドル円の行方を考える上で鍵になるのではないかと考えています。ところで、その観点からすると、ユーロドル、豪ドル米ドルなどは、ドル円とは事情がことなるかもしれません。

52週MAとの関係で見ると、対ユーロ、豪ドルではドルは対円ほど「下がり過ぎ」とはならず、そもそも先週にかけてすでに下がり過ぎもほぼ修正されたようです≪資料3、4参照≫。これを参考にするなら、「NFPショック」を受けたドル続落余地は、対円より対ユーロ、豪ドルなどが大きくなる可能性がありそうなので、注目したいところではないでしょうか。(了)

≪資料1≫

(出所:「毎日くりっく!365」)

≪資料2≫

≪資料3≫

≪資料4≫


 

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