今週はこう動く! マーケット羅針盤

2016/05/30 09:47今週の注目通貨(ユーロドル)=米利上げにらみながらも1.11ドル以下のユーロ安には限度あり?

◆要約◆
・ユーロドルは金融政策より長期金利との相関性が強い状況が続いてきた。
・その独長期金利は依然下がり過ぎの可能性。一時的ユーロ安なら52週MAが目安。


◆米早期利上げならユーロ安・ドル高は続くのか?

ユーロドルは、先週末は1.11ドル割れ近くまでユーロ安・ドル高となりました。米早期利上げ観測が再燃する中でじりじりとユーロ安・ドル高となっていますが、この動きがさらに続くかについて今週は考えてみたいと思います。

ユーロドルは、中期トレンドを考える上で参考になる52週MA(移動平均線)を、3月から断続的に長く、比較的大きく上回るユーロ高・ドル安が続きました。そんな52週MAが足元1.12ドル程度なので、先週末は久しぶりに52週MAを下回るユーロ安・ドル高となったようです≪資料1参照≫

52週MAを上回るユーロ高・ドル安はあくまで一時的に過ぎなかったのか、それとも経験的には上述のような52週MAを大きく長く上回る動きは中期トレンドが転換した可能性が高いので、そうであれば、足元にかけてのユーロ安・ドル高の方が一時的に過ぎないのでしょうか。

先週にかけてのユーロ安・ドル高は、基本的には米早期利上げ観測を受けた米ドル全面高の結果との理解が基本でしょう。ただし、金融政策を反映する2年債利回りの米独金利差とユーロドルは必ずしも相関性が高くはありません≪資料2参照≫ECBの本格的な金融緩和が続く中で、米独2年債利回り差はユーロ不利拡大傾向が続いてきたわけですが、それを尻目に今年はむしろユーロ高・ドル安傾向となってきたわけです。

2年債利回り差より、米独10年債利回り差、つまり長期金利差の方がユーロドルとの相関性は昨年頃から強い状況が続いてきました≪資料3参照≫。その結果、ECB金融緩和でも、米独長期金利差でのユーロ不利がむしろ縮小に向かう局面では、ユーロ高・ドル安に向かう展開となったわけです。

以上を簡単に整理すると、ユーロドルは、ECBやFRBの金融政策より、それを受けて長期金利がどう動くかの影響が大きかったようです。その関係がこの先も変わらないなら、最近にかけてのユーロ安・ドル高がこの先どうなるかは、米利上げ以上に、その有無とは別に米独長期金利差の行方が鍵になるのではないでしょうか。

このうち独10年債利回りは、90日MAとの関係などを見ると、依然としてかなり下がり過ぎの状況が続いているようです。同かい離率は、一頃のマイナス80%からはさすがに縮小したものの、足元でもマイナス30%程度で、経験的にはなお下がり過ぎといえそうです≪資料4参照≫

下がり過ぎの独長期金利の低下には自ずと限度があるのではないでしょうか。そうであるなら、ユーロドルは長期金利の影響が大きいというこれまでの関係が変わらない限り、ユーロ安・ドル高にも自ずと限度があるのではないでしょうか。

仮にユーロ安・ドル高があくまで一時的なものだとしたら、経験的には52週MAを大きく、長く下回らない程度にとどまる可能性が高いといえます。その52週MAは足元で1.12ドル程度なので、1.12ドルを下回るユーロ安・ドル高は大きく、長くは続かない見通しになりますが、果たしてどうか?(了)

≪資料1≫
 
(出所:Bloomberg)
≪資料2≫
 
≪資料3≫
 
≪資料4≫


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