今週はこう動く! マーケット羅針盤

2016/05/16 10:45今週の注目通貨(クロス円)=ドル安・円高「お休み」ならクロス円下落も一段落、ただ「続編」リスク残る?!

◆要約◆
・ドル安・円高「お休み」ならクロス円も下落一服の可能性。「3月相場」が参考になる?!
・ドル安・円高再開ならクロス円も下落リスク再燃注意。豪ドル円は70円台前半も意識?!



◆豪ドル円中心にクロス円のシナリオを考える

5月に入り、豪ドル円が80円を大きく下回るなど、クロス円は軒並みこの間の安値更新ないし、安値圏まで一段安となりました≪資料1参照≫。クロス円の下落はどこまで続くのか。そこで今週は豪ドル円を中心にクロス円を注目の通貨ペアとして取り上げてみたいと思います。

それにしてもなぜ、5月にかけてクロス円は下落再燃となったのか。それは、基本的にはドル安・円高が一時105円まで進んだ影響が大きかったのでしょう。

今年4月までの対円での主要な通貨の下落月を調べてみると、ドル円が大きく下落するとクロス円も大きく下落し、ドル円が下げ渋るとクロス円も下げ渋るといった具合に、クロス円の動きはドル円の影響が大きかったことがわかります≪資料2参照≫。以上からすると、クロス円の行方を考える上ではドル円の行方を考える必要があるでしょう。

そのドル円は、105円から先週は109円半ばまでドル高・円安へ戻しました。さすがに105円までドル安・円高が進む中で、円は「買われ過ぎ」懸念が強くなっていたので、そういった影響などからドル安・円高も一気に105円を割れて進むエネルギーはないということではないでしょうか≪資料3参照≫。

ドル安・円高が当面「お休み」なら、クロス円も下落は一服する可能性があるでしょう。ちなみに4月までの間で、ドル安・円高が「お休み」となったのは3月でした。その3月はクロス円も軒並み、下落が限られました。当面のクロス円も3月の展開が参考になるのかもしれません

ところで、ドル安・円高はあくまで「お休み」であり、「終わった」のではないのでしょうか。過去4回の中期的ドル安・円高トレンドは、最短でも1年以上、最低でもドルは2割以上の下落となっていたので、今回はまだそれらに満たないことからすると、あくまで「お休み」であり、いずれ再開する可能性が高いと考えるのが基本でしょう≪資料4参照≫。

そうであれば、クロス円の下落も「終わり」ということではなく、ドル安・円高が105円を割れて再開となったら、基本的にはクロス円も安値更新に向かう可能性があると意識する必要があるのではないでしょうか

ちなみに、豪ドル円は5年MA(移動平均線)からのかい離率が足元でマイナス10%程度まで拡大してきました≪資料5参照≫。経験的に、同かい離率が±20%を超えることは多くないですが、逆に言えばドル安・円高に連動した豪ドル円の続落で、かい離率がマイナス20%近くまで拡大する可能性は意識する必要があるのではないでしょうか。

豪ドル円の5年MAは足元で89円程度なので、それを2割以上も下回り70円を割れる可能性は高くないかもしれませんが、70円台前半程度までの続落はあってもおかしくないと考えるのが基本ではないでしょうか。

ところで、私が「為替の学校」アカデミアで説明しているのは、中長期的に割安圏での通貨ペアの基本的な売買の考え方は売りなら短期売買、買いなら中長期でポジションをホールドするということになります。そして、その売買判断は、基本的には中期トレンドを参考にします。

豪ドル円などクロス円が総じてドル円の影響が大きいということからすると、これまで見てきたように中期ドル安・円高トレンドが続いている限りは、「売り」が基本ですが、すでに割安圏に入っている中ではそれも短期売買に変わってきたということでしょう。
割安圏の通貨を「買う」となった場合は、中長期のホールドが可能になりますが、それは中期ドル安・円高が終了し、その影響が大きいクロス円も下落が一段落するタイミングを待つ必要があるでしょう。(了)

≪資料1≫豪ドル円(日足)
 
(出所:M2J FX Chart Square)

≪資料2≫
 

≪資料3≫円ポジション(CFTC)
 

≪資料4≫
 

≪資料5≫豪ドル円の5年移動平均線からのかい離率
 

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