今週はこう動く! マーケット羅針盤

2016/05/02 08:435月の為替を予想する=「行き過ぎ」懸念抱えながらドル安・円高クライマックス続く

◆要約◆
・「日銀ショック」、米景気懸念、株安、介入観測後退などドル安・円高材料が噴出。
・円「買われ過ぎ」、ドル「下がり過ぎ」懸念の中でも修正の手掛かりは微妙?!

107円割れでテクニカルにもドル安・円高新局面入り

先週のドル円は、日銀が追加緩和を見送ったことをきっかけにドル安・円高に急反転すると、一気に106円台までドル安・円高となりました。では、5月はさらにドル安・円高が進むかについて、今回は考えてみたいと思います。

先週ドル安・円高が一気に広がったのは、上述のような「日銀ショック」に加え、米第1四半期GDP成長率が前期比年率プラス0.5%と、前期の同プラス1.4%から急鈍化するなど、米景気への懸念が浮上したことも一因でしょう。米金融政策を反映する2年債利回りは、4月27日のFOMCを前後し、0.86%から0.78%へほぼ一本調子で低下しました≪資料1参照≫。

こういった中で、これまで上昇傾向が続いてきた米株も先週は反落となりました≪資料2参照≫。そして週末には、米財務省が為替操作の監視国に認定した国の中に日本も入っていたことで、日本の通貨当局が円高阻止介入に動きにくいとの思惑が浮上したことも、円買いを後押しする要因になったと考えられます。

以上のように、先週にかけては日銀の追加緩和見送り、米景気懸念、株安、円高阻止介入観測の後退といった具合に、ドル安・円高を後押しする要因が一気に噴き出した形となりました。

そういった中で、ドルはこの間の安値107円台を大きく割り込む展開となりました。テクニカルにも、ドル安・円高は新局面に入ったことで、勢い付いた形になっています。

一方で円は、CFTC統計の投機筋のポジションが7万枚前後の買い越しで推移するなど、経験的にはかなり「買われ過ぎ」が警戒される状況にあります≪資料3参照≫。そして移動平均からのかい離率などを見ても、短期的にはドル下がり過ぎ懸念の強い状況が続いています。

以上を整理すると、円「買われ過ぎ」、ドル「下がり過ぎ」懸念の中でも、当面ドル安・円高バイアスの強い展開が続く可能性が高いのかもしれません。短期的なドル安・円高「行き過ぎ」の反動が入るなら、あえていうなら株の動きが注目されますが、その株はまだ株安が始まったばかりで、むしろ逆にドル安・円高を後押す可能性もあるのでしょう。

「行き過ぎ」懸念を抱えたドル安・円高はクライマックスの状況にあるといえそうですが、まだそれが続く可能性もあるのかもしれません。(了)

≪資料1≫米2年債利回り

(出所:Bloomberg))

≪資料2≫NYダウ

(出所:Bloomberg)

≪資料3≫投機筋の円ポジション
左軸:ドル円(単位:円)
右軸:円ポジション(単位:千枚)

(出所:毎日くりっく!365)

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