今週はこう動く! マーケット羅針盤

2016/04/25 08:32当面のドル円を予想する= 円安は119円まで戻るのか、それをリスクオフ再燃が遮断するか?!

◆要約◆
・円安への急反転は記録的な低金利通貨の円「買われ過ぎ」の反動が主因。
・円安は119円まで戻るのか。それを決めるのは株などリスク資産反発が続くか。


1.円安はどこまで戻るのか?

4月に入り、一時107円台までドル安・円高となりましたが、22日、日銀が金融機関への貸出もマイナス金利にすることを検討しているとの報道をきっかけに、一転して112円近くまでドル高・円安へ大きく戻す展開となりました。では、この先さらにドル高・円安に戻すかについて、今回は考えてみたいと思います。

22日は、日銀の追加緩和に関する報道がきっかけとなり、終値は前日比で2.2円ものドル高・円安となりました。これは、黒田総裁になってからの3回の日銀金融緩和決定日のドル高・円安、2013年4月4日は3.6円、2014年10月31日は3.1円、そして2016年1月29日は2.2円だったので、それに匹敵する動きでした。

それにしても、今回の場合、まだ正式な金融緩和決定ではなく、あくまで「観測報道」に過ぎないにもかかわらず、これだけ大幅なドル高・円安になったのはなぜか。それは日銀の動きとは別に、円「買われ過ぎ」など行き過ぎた動きの反動が入った影響が大きかったのではないでしょうか

CFTC統計によると、投機筋の円ポジションは、4月19日現在で7万枚以上の買い越しとなっていました≪資料1参照≫。これは、確認できる限り、過去最高の買い越しでした。依然として世界的な低金利通貨の円ということを考えると、これはやはり行き過ぎた円買いということだったのではないでしょうか。

こういった中で、「観測報道」に過ぎなくても、円安に振れるリスクが出たことで、「買われ過ぎ」の反動が一気に入り、大幅なドル高・円安になったということではないでしょうか。

さて、円「買われ過ぎ」の修正が本格化したことで、今後はさらにドル高・円安に戻す展開になるでしょうか。ちなみに、あの107円から新たなドル高・円安トレンドが始まったということでなくても、あくまで一時的なドル高・円安に過ぎないとしても、経験的には最大で52週MA(移動平均線)程度までの戻りはあってもおかしくありません。

その52週MAは、足元で119.4円程度≪資料2参照≫。ということは、記録的な円買いの反動に伴うあくまで一時的なドル高・円安に過ぎなくても119円前後までのドル高・円安はあってもおかしくないという見通しになりますが、果たしてどうか?

鍵になるのは株の動きではないでしょうか。株は、とくに米株などは、すでにこの2ヶ月ほど反発が続いてきました。この背景には、原油相場や中国株といった年明けからのリスクオフ、リスク資産急落を主導した相場の反発が続いたということがあったでしょう。そんなリスク資産の反発、リスクオンへの戻りはまだ続くのか。

たとえば、NYダウの90日MAからのかい離率は、足元でプラス5%を大きく上回ってきました≪資料3参照≫。これは、少なくとも2010年以降のパターンからすると、上がり過ぎ懸念が強くなってきた可能性を示しています。

先週から、大きくドル高・円安に戻すきっかけとなったのは、最初に述べたように日銀追加緩和の観測がきっかけでした。今週は、日銀、そしてFOMCで正式に金融政策が決まることになりますが、それを受けて一段とドル高・円安が進むことになるのか。それを決めるのは、為替以上にそれらの政策が株にどう影響するかが注目ではないでしょうか。(了)

≪資料1≫CFTC統計の円ポジション
 

≪資料2≫ドル円と52週移動平均線

(出所:Bloomberg)

≪資料3≫NYダウの90日移動平均線からのかい離率

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