今週はこう動く! マーケット羅針盤

2016/04/11 09:23当面の欧州通貨を予想する= 欧州通貨円の下落はこれまで以上にドル安・円高次第に?!

◆要約◆
・ポンド=90日MAからのかい離率ではポンド下がり過ぎ懸念が拡大。
・ユーロ=対ドルでは中期ユーロ高へ転換の可能性。対円続落はドル安・円高次第に。


1.不安材料だらけのポンド円だが90日MAからのかい離率は「下がり過ぎ」

ユーロ、英ポンドといった欧州通貨は先週、対円でそれぞれ年初来の安値圏に続落しました。では欧州通貨は、さらに対円で安値を更新していくのか、それともそろそろ反発に転じる可能性もあるかについて、今回は考えてみたいと思います。

欧州通貨が対円で年初来の安値圏に続落した一番の要因は、やはりドル安・円高が先週にかけて大きく進んだことでしょう。ドル円は先週110円の大台を割れると一時107円台へ大きくドル安・円高が進みました。そんなドル安・円高に、欧州通貨に限らず、クロス円全体がつれる形で一段安になったわけです。

その意味では、欧州通貨が対円でさらに安値更新に向かうかの第一の焦点は、ドル安・円高がさらに進むかということでしょう。

ところで、ドル安・円高に連れた欧州通貨の対円での続落ではありましたが、ユーロと英ポンドの対米ドルでの展開は先週にかけてかなり違ったものでした。ユーロが対米ドルで高値圏での推移となったのに対し、英ポンドは逆に安値圏での推移が続きました。英ポンドの場合、英国のEU離脱懸念という独自の不安材料の影響が続いているようです。

では、ドル安・円高に引っ張られるとともに、EU離脱懸念といった独自の不安材料も抱えた英ポンドは、対円でさらに安値更新に向かうでしょうか。ただ不安材料を多く抱え続落しているポンド円は、さすがに90日MA(移動平均線)からのかい離率で見ると、かなり下がり過ぎ懸念が強くなってきたようです≪資料1参照≫。

以上のように見ると、誰の目から見てもわかりやすい不安材料を抱え急落したポンド円は、すでにかなり下がり過ぎ懸念も強くなっている点に注意する必要がある段階に入っているということではないでしょうか。

そんなポンド円を5年MAからのかい離率で見ると、すでにポンド割高は修正され、ニュートラルな状況になったといえそうです≪資料2参照≫。割高なポンドは基本的に売りやすいですが、それが修正され、そして上述のように90日MAで見ると下がり過ぎの懸念が強くなっているとなると、売るタイミングも注意が必要な段階に変わり始めているということではないでしょうか。

2.ユーロ円はこれまで以上にドル円次第の構図に

ところで、ユーロ円も5年MAからのかい離率ではユーロ割高がほぼ修正されました≪資料3参照≫。これからユーロ安・円高が進むなら、それは5年MAとの関係で見るとユーロ割安拡大に向かうことになるわけです。

ところで、そんなユーロは対米ドルでは52週MAをすでに2ヶ月以上も、そしてしっかり上回り始めています≪資料4参照≫。経験的には、このようなユーロ高・ドル安は一時的なものではなく、継続的、中期的なトレンド転換の結果の可能性が高いといえます。

さて、そんなふうに対米ドルでユーロが中期上昇トレンドに転換した可能性が高いなら、さっき見たようにそんなユーロが対円で5年MAよりユーロ割安拡大に向かうのは、実際的にはユーロの割安拡大ではなく、円が対ユーロで割高拡大に向かうかが鍵ということになるでしょう。

以上のように見ると、ユーロ円がさらに下落するかは、これまで以上にドル安・円高の影響が大きくなりそうです。先週はそんなドル安・円高が大きく進んだ結果、ユーロ安・円高になりましたが、もしもドル高・円安に戻すようならユーロ円もユーロ高・円安に反転する可能性があるといった意識が必要かもしれません。(了)

≪資料1≫ポンド円の90日移動平均線からのかい離率


≪資料2≫ポンド円の5年移動平均線からのかい離率


≪資料3≫ユーロ円の5年移動平均線からのかい離率


≪資料4≫ユーロドルと52週移動平均線

(出所:Bloomberg)

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