今週はこう動く! マーケット羅針盤

2016/03/21 12:53当面の欧州通貨を予想する= 1.3ドルへのユーロ高の始まりか?ではユーロ円はどうなる?!

◆要約◆
・(ユーロドル)=ECB積極緩和以降独金利急騰でユーロ高。ユーロ高1.3ドルの始まりか?
・(ユーロ円)=ユーロ割高は修正。ユーロ割安拡大に向かうかはドル安・円高次第。


1.ユーロドルとユーロ円の見通し

ユーロは、3月10日のECBによる予想以上に積極的な金融緩和決定にもかかわらず、その後はむしろユーロ高が広がるところとなっています。それはなぜなのか、そしてこの先はどうなるかについて、今回は考えてみたいと思います。

ECBの金融緩和にもかかわらず、ユーロ高に反転した一因は米独長期金利差ユーロ不利が縮小に転じたことだったでしょう≪資料1参照≫。では、なぜ金利差ユーロ不利が縮小に向かったかといえば、独長期金利が急騰に向かったためでしょう。独10年債利回りは0.1%程度から一時は0.3%超へ急騰となりました≪資料2参照≫。

それにしても、なぜECBの予想以上の積極的な緩和決定にもかかわらず独長期金利は急騰となったのか。独10年債利回りの90日MA(移動平均線)からのかい離率は一時マイナス80%程度まで拡大、「異常な低下」となっていました≪資料3参照≫。その意味では、積極的なECB緩和でも長期金利が急騰したのは、「異常な低下」の反動が一因だったでしょう。

こういった中で、ユーロドルは足元1.10ドル程度の52週MAを2月から1か月余り断続的に上回る動きが続きました≪資料4参照≫。経験的には、52週MAを長くブレークする動きは一時的ではない可能性が高いものです。その意味では、最近にかけてのユーロ高は、一段と継続的な展開に向かう可能性が試されている動きといえるでしょう。

ところで、もしも継続的なユーロ高が展開するなら、どんなシナリオになるのか。ユーロドルは5年MAからのかい離率がマイナス10%以上といった具合に大幅なユーロ割安の状況が続いています≪資料5参照≫。継続的なユーロ高なら、少なくとも足元で1.28ドル程度の5年MAを上回る可能性が考えられるので、1.3ドルを目指すユーロ高が始まっているかといった観点になるのではないでしょうか。

では、対米ドルでユーロ高が続いた場合、ユーロ円はどうなるのか。ユーロ円の5年MAからのかい離率は、これまで大幅なユーロ割高修正局面が展開してきたことを示しています≪資料6参照≫。最近では、ユーロ割高は修正され、ほぼニュートラルな状況となりました。

これまで見てきたことからすると、これからはユーロの弱材料でユーロ円が下がるということより、ドル安・円高に連れる形でどれだけユーロ割安・円割高拡大に向かうかといった具合に、ユーロ安・円高の理屈もこれまでとは少し変わっていく可能性があるのではないでしょうか。(了)

≪資料1≫ユーロドルと独-米10年債利回り差

(出所:Bloomberg)

≪資料2≫独10年債利回りと90日移動平均線

(出所:Bloomberg)

≪資料3≫独10年債利回りの90日移動平均線からのかい離率

(出所:Bloomberg)

≪資料4≫ユーロドルと52週移動平均線

(出所:Bloomberg)

≪資料5≫ユーロドルの5年移動平均線からのかい離率

(出所:Bloomberg)

≪資料6≫ユーロ円の5年移動平均線からのかい離率

(出所:Bloomberg)

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