今週はこう動く! マーケット羅針盤

2016/02/22 13:18当面のドル円を予想する= 円高、株安は目先行き過ぎか?! 再燃の鍵は信用取引の返済

◆要約◆
・円高、株安、「リスクオフ」は目先的に行き過ぎの可能性。このまま広がるのも無理か。
・次の焦点は四半期末での信用取引の借り入れ返済。リスクオン取引手仕舞い本格化は?

1. 昨年9月相場と類似か、それとももっと厳しくなるのか?!

ドルは先週一時115円近くまで反発しましたが、週後半には再び112円台へ反落となりました。では今週は、早速111円割れに向かうのか、それとももう一度115円方向へ反発するかについて考えてみたいと思います。

ドル円を週足のチャートで見ると、先週まで3週連続のドル陰線(ドル安)となりました≪資料1参照≫。これは、昨年8月24日に一日で121円から116円までドルが暴落するパニック相場が起こった前後に記録して以来のことになります。

あの昨年8月のパニック相場前後でも、ドル陰線連続記録は3週で一巡しました。今回は、同じ3週の間に、ドル最大下落幅はそんな昨年8月のほぼ倍の10円にも達しました。以上のように見ると、短期的にはドル下落も「スピード違反」で、このまま一段と広がるのも簡単ではなさそうです。

そんなドル円の動きは、相変わらず株と連動性の高い状況が続いています≪資料2参照≫。この関係が続くなら、もしも株安が続くようなら、「スピード違反」とは言っても、ドル安・円高は続く可能性があります。

年明けからの急激なリスクオフ、株安をリードしたのは一般的に原油相場の暴落と中国株の暴落と考えられてきたでしょう。この2つ、たとえばWTIと上海総合指数についてそれぞれ90日MA(移動平均線)からのかい離率を見ると、かなり下がり過ぎ懸念が強くなっているようです≪資料3、4参照≫。

以上のように見ると、原油安や中国株安が主導する形で株安、円高のリスクオフ相場が再拡大する可能性は目先的には限られるのではないでしょうか。そうだとすると、短期的には行き過ぎたリスクオフの反動で、リスクオンの株高、円安へ戻る展開が続くのでしょうか。

それを考える上で一つの鍵を握る可能性があるものとして注目されるのは、3月末が近付く中での信用取引の借り入れ返済の動きではないでしょうか。信用取引をする際の借り入れである米国株のマージンデット(証拠金債務)は昨年にかけて空前規模で拡大しました≪資料5参照≫。相場の急落により、借り入れ返済が加速する可能性は注目されるのではないでしょうか。

たとえば、昨年8月下旬に、「中国ショック」などと呼ばれた上述のような「パニック相場」が起こりました。翌9月のマージンデットは昨年一年間で最も大きく減少しました。これには、四半期末で借り入れの返済を余儀なくされるケースが増えた影響もあったのではないでしょうか。

そうであれば、年明け以降の相場の急落を受けた信用取引の借り入れの返済は、このまま相場が大きく回復しないようなら3月末にかけて拡大するリスクを秘めていないでしょうか。

昨年9月のドル円は、「8月ショック」から反発したものの、ドル高・円安への戻りは鈍い展開に終始しました≪資料6参照≫。これには、信用取引の返済のため株買いや円売りといったリスクオン取引のポジション手仕舞いに伴う株売り、円買いの影響もあったのではないでしょうか。

マーケットは、相場の回復を3月のECBや日銀の金融政策を望みに待つでしょうか。いずれにしても、四半期末の3月末をにらみ、信用取引の借り入れの返済に伴うリスクオン取引のポジション手仕舞い売りが本格化するかは、短期的に行き過ぎたリスクオフ、株安、円高の修正がいつまで続くかを考える上での目安になるのではないでしょうか。(了)

≪資料1≫ドル円(週足)

(出所:M2J FX Chart Square)

≪資料2≫ドル円と日経平均
 
(出所:Bloomberg)

≪資料3≫

(出所:Bloomberg)

≪資料4≫

(出所:Bloomberg)

≪資料5≫米国のマージンデット(証拠金債務)とNYダウ
 
(出所:Bloomberg)

≪資料6≫ドル円(日足、2015/8/1〜10/30)

(出所:Bloomberg)

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