今週はこう動く! マーケット羅針盤

2016/01/11 09:042016年のユーロを予想する= 対ドルより対円が動く、円高なら115円もある?!

◆要約◆
・ユーロはドル円より動くが、それも「ユーロ円>ユーロドル」が基本。
・2016年のユーロは対米ドルは1.05-1.2ドル、対円は115-135円中心の展開か。


◆ユーロドルよりユーロ円がよく動く、2016年もそうなのか?!

ユーロは、2015年に欧米の金融政策の方向性が正反対といったことを理由に、とくに年前半ユーロ安の大相場となりました。では、それは2016年も続くのでしょうか。

一口に、「ユーロ安大相場」と言っても、対米ドルと対円の年間値幅を比べると、2015年はユーロ円のそれがユーロドルを大きく上回りました≪資料1参照≫。そしてそれは2015年が例外だったわけではなく、2010年以降の6年間について調べたところ、実に年間値幅はユーロ円のそれがユーロドルを5年上回りました

≪資料1≫

単位:ポイント(対円とドル円は100ポイント=1円)
(出所:Bloomberg)

ちなみに、2010年以降の年間平均値幅を比べると、「ユーロ円>ユーロドル>ドル円」となりました。以上からすると、ユーロはドル円よりもよく動くものの、それはユーロドルよりユーロ円がさらにそれが顕著だということではないでしょうか。では、それは2016年も当てはまるでしょうか。

2015年以降のユーロドルは、米独10年債利回り、つまり長期金利の差と高い相関関係が続きました≪資料2参照≫。これが2016年も続くなら、ユーロドルは米独長期金利差次第ということになります。

≪資料2≫ユーロドルと米ドル10年債利回り差
 

今のところ、米国は再利上げを目指し、一方ユーロ圏は金融緩和強化を目指すといった具合に、欧米の金融政策は正反対の状況に変わりないと見られています。にもかかわらず、ユーロ安・ドル高の大相場に向かわないのか。

長期金利は、金融政策の影響も基本的には限定的となります。この結果、金融政策の方向性が正反対でも、欧米の長期金利差は一方向に拡大しない可能性はあります。そうであるなら、そんな長期金利差とユーロドルの相関性が高い関係に変わりないなら、ユーロドルは一方向に大きく動かない、そんな2016年相場になる可能性はあるかもしれません。

◆ドル円次第でユーロ円は115-135円の予想

さて、私はここまでユーロは2016年の場合、とくに対米ドルでは2015年までの印象と変わり、一方向に大きく動く展開にならない可能性があるのではないかとの見方を述べました。

それにしても、ユーロ円の5年MA(移動平均線)からのかい離率は、なおユーロ割高圏で推移しているのに対し、一方で対米ドルではユーロはかなり割安になっているようです≪資料3参照≫。これを参考にすると、ユーロが昨年までと変わって一方向に動きにくくなるとしたら、それは中期的に対米ドルで割安になっている影響が大きいのではないでしょうか。

一方、ユーロ円の場合、ドル安・円高が進むようなら、ユーロが対円の割高圏から割安圏へユーロ安・ドル高に向かう余地はあるのかもしれません≪資料4参照≫。

ユーロの年間値幅は、対米ドルは1500ポイント程度、対円は2000ポイント程度と考えた場合、2016年はユーロドルは1.05-1.2ドル中心、ユーロ円はドル安・円高次第ではあるでしょうが、115-135円中心の展開といった見通しが基本なのではないでしょうか。(了)

≪資料3≫ユーロ円の5年移動平均線からのかい離率


≪資料4≫ユーロドルの5年移動平均線からのかい離率

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