今週はこう動く! マーケット羅針盤

2015/11/23 11:35金利差のある通貨ペアを予想する=ドルストレートは短期原油安注意、中期はドル割高限界試す

◆要約◆
・(クロス円)=「米12月利上げ→為替」より「米利上げ→株→ドル円→クロス円」の関係。
・(ドルストレート)=短期的には原油安の影響要注意。中期的にはドル割高限界試す局面。


1.金利差のあるクロス円について

今週は比較的金利差のある通貨ペアについて考えてみたいと思います。具体的には、資源国通貨や新興国通貨のクロス円相場、そして資源国通貨の対米ドル、つまりドルストレートについて。

金利差のある通貨ペアの代表例ともいえるトルコリラ円を中心に、クロス円のいくつかはいわゆる「8・24ショック」前の水準を回復してきました≪資料1、2参照≫。このように金利差のあるクロス円の反発が続いた主因は、やはりドル円が「8・24ショック」前の水準に反発してきたことに引っ張られた面が大きいでしょう≪資料3参照≫。

≪資料1≫トルコリラ円(日足)

(出所:M2J FX Chart Square)

≪資料2≫豪ドル円(日足)

(出所:M2J FX Chart Square)

≪資料3≫ドル円(日足)
 
(出所:M2J FX Chart Square)

以上のように整理すると、金利差のあるクロス円がさらに反発が続くかは、ドル円がさらに上がるかが一番の鍵になるでしょう。

それでは、ドル円は最近にかけてなぜ上がってきたのか。米12月利上げの可能性が高まったからでしょうか。ただし、金融政策を反映する日米2年債利回り差ドル優位が今年の最高を大きく上回ってきた割には、ドル高・円安の動きは鈍いようです≪資料4参照≫。

最近にかけてのドル円の動きをよりうまく説明できるのは、やはり日経平均などの株価ではないでしょうか≪資料5参照≫。株が最近にかけて大きく上昇してきた動きと、ドル高・円安の動きはある程度連動しており、そんな株がなお8月以前の高値を更新するまでに至っていないことと、ドルが対円で6月の高値に届かないこととは符合するわけです。

≪資料4≫ドル円と日米2年債利回り差

(出所:Bloomberg)

≪資料5≫ドル円と日経平均

(出所:Bloomberg)

以上のように、ドル円の行方はやはり米金利以上に株次第ではないかということなら、ではその株の行方によって、ドル円、そして金利差のあるクロス円の行方も決まるということになります。

では、株はさらに上がるのか?これこそ、米12月利上げがかりに行われるとして、それにどう反応するかを考えることになるのでしょう。すでに米利上げは織り込まれ、12月利上げでも株高が続くのか、それともゼロ金利の中で続いてきた株高は、やはりゼロ金利解除ならある程度の株安への調整は不可避なのか。

以上のように見ると、米12月利上げで為替の行方が決まるということではなく、「米12月利上げ→米株→ドル円→金利差のあるクロス円」という関係で考える必要があるのではないでしょうか。

2.金利差のあるドルストレート

次に比較的金利差のあるドルストレートについて考えてみましょう。当然ですが、こちらはドル円とはあまり関係あるように見えません。例えば、豪ドルストレートは、8月下旬に底を打つと、安値圏での一進一退の展開が続いてきました≪資料6参照≫。この動きを比較的説明できるのは、CRB指数です≪資料7参照≫。

≪資料6≫豪ドル米ドル(日足)

(出所:M2J FX Chart Square)

≪資料7≫豪ドル米ドルとCRB指数

(出所:Bloomberg)

CRB指数はコモディティーの総合指標ですから、代表的な資源国通貨の豪ドルと連動性が高いのは理解できるでしょう。このCRB指数の中で最も高い構成比率を占めるのが原油になりますが、そんな原油価格が8月下旬で一旦底打ち、その後安値圏で一進一退の展開となったことから、CRB指数もそして豪ドルストレートも一進一退になったということでしょう。

そんな原油、CRB指数が最近にかけて8月下旬の安値更新含みになっている点は豪ドルストレートの短期的な行方を考える上では気になるところではあります。

その一方で、10月末から米12月利上げ観測が高まる中でも、ドルストレート取引が必ずしも米ドル高一辺倒になっていないのは、豪ドルストレートの5年MA(移動平均線)からの乖離率で見た場合、記録的な豪ドル割安、米ドル割高になっているということの影響があるのではないでしょうか≪資料8参照≫。

そもそも米ドルの総合力を示す実効相場は1980年代前半以来という空前のドル割高になっています≪資料9参照≫。以上からすると、米利上げをにらみながらも、金利差のあるドルストレートでは、中期的にはドル割高拡大の限界を試す局面が続いているということではないでしょうか。(了)

≪資料8≫豪ドル米ドルの5年移動平均線からの乖離率

(出所:Bloomberg)

≪資料9≫ドル実効相場の5年移動平均線からの乖離率

(出所:DZHフィナンシャルリサーチ オーバーシュートアラート)

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