今週はこう動く! マーケット羅針盤

2015/11/09 13:14「金利差優位の通貨ペア」の予想=米金利上昇、ドル全面高続くか、真の鍵とは?

◆要約◆
・(クロス円)株との相関性が崩れてきた。鍵は米金利上昇、米ドル全面高が続くか。
・(ドルストレート) 短期下がり過ぎ拡大で、中期的記録的割安余地をどれだけ拡大するか。


1.クロス円とドルストレートを予想する

6日発表の米10月雇用統計が予想より良かったことを受けて、米12月利上げ観測が高まり、米金利が大幅に上昇している中で、米ドル全面高の展開となっている。これを受けて、比較的金利差のある通貨ペアは、クロス円はおおむね横ばい、ドルストレートは下落する展開となっている≪資料1参照≫。

≪資料1≫M2J取扱い通貨ペアの“買いスワップ”と“割高・割安度”
 
*注.買いスワップは1万通貨あたり

一つ興味深いのはクロス円ではないか。豪ドル円の場合に顕著だが、クロス円はこの数か月、米株との相関性が顕著だったものの、このところそれが大きくかい離してきた≪資料2参照≫。米株高が続く中で、豪ドル円は横這いとなっているわけだが、果たしてこれは続くだろうか。

≪資料2≫豪ドル円とNYダウ
 
(出所:Bloomberg)

米株とクロス円の相関性が崩れているのは、上述のように米ドル全面高となる中で、株高も続いているためだ。では米ドル全面高はいつまで続くのか。米ドルの総合力を示す実効相場の90日MA(移動平均線)からのかい離率を見ると、この動きは短期的な上がり過ぎ拡大を試すものであり、もっと続く可能性はあるといえそうだ≪資料3参照≫。

一方で、米ドル実効相場の5年MAからのかい離率は、記録的な割高水準での推移が続いている≪資料4参照≫。中期的に記録的割高な状況にある米ドルが、短期的にどれだけ上がり過ぎ拡大に向かうか試されているのが現在の状況ということになるだろう。

≪資料3≫ドル実効相場の90日移動平均線からのかい離率


≪資料4≫ドル実効相場の5年移動平均線からのかい離率


さて、そんな米ドルの短期的上がり過ぎ拡大のきっかけになっているのが米12月利上げ観測を受けた米金利上昇ということだろう。では、米金融政策を反映する米2年債利回りの現状はどうか。90日MAからのかい離率を見ると、米2年債利回りもかなり短期的な上がり過ぎ懸念が強くなり始めているようだ≪資料5参照≫。それでも米12月利上げ観測を材料に米金利上昇は続くだろうか。

≪資料5≫米2年債の90日移動平均線からのかい離率


その一つの鍵は米株の動きではないか。「債券王」とされるB.グロースは、7日付けブルームバーグ記事によると、こんな見方を示したという。「私ならリスクオフのトレードに進む、つまり株式には積極投資せず、高利回り債は敬遠するということだ」。

このグロースの見方が正しければ、リスクオフの株安になることから、米金利の上がり過ぎ拡大は水を差される可能性があるが、グロースの見方に反し、株高が続くようなら米金利上昇が続くことで、米ドル全面高が続く可能性があるだろう。

さて、最後に豪ドルのドルストレートについて確認してみよう。90日MAからのかい離率を見ると、豪ドルのドルストレートは短期的な下がり過ぎが修正され、改めて短期下がり過ぎ拡大に向かうのかといった状況にあることがわかる≪資料6参照≫。これまで見てきたように、株をにらみながら米金利上昇、米ドル全面高が続くかが鍵ということだろう。

一方、豪ドルのドルストレートの5年MAからのかい離率は、記録的な豪ドル割安にある≪資料7参照≫。短期的な豪ドル下がり過ぎ拡大に向かうことで、中期的な豪ドル割安の余地がどこまで拡大するかが試されている局面ということだろう。(了)

≪資料6≫豪ドル米ドルの90日移動平均線からのかい離率



≪資料7≫豪ドル米ドルの5年移動平均線からのかい離率

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