今週はこう動く! マーケット羅針盤

2015/10/26 10:34「FX投資判断I」を使って2016年の豪ドルを予想する=豪ドルは「底値圏」なのか、基調転換の目安とは?!

少し気が早いかもしれませんが、2016年の見通しについて、豪ドルについて考えてみましょう。代表的な資源国通貨であり、かつては比較的高い利回りで、かつ取引量も比較的豊富ということで個人投資家の間でも人気の高いのがこの豪ドルでしたが、その2016年のシナリオはどうか?

◆豪ドル米ドルと豪ドル円の2016年の見通しを考える

2014年11-12月には100円超えるまで上昇した豪ドルでしたが、2015年8月から80円台前半へ急落しました≪資料1参照≫。ところでそんな豪ドル安・円高の動きは、5年MA(移動平均線)からの乖離率で見ると、上がり過ぎが修正され、ほぼ中長期的にニュートラルな水準に戻ったといった意味になりそうです≪資料2参照≫。

≪資料1≫豪ドル円の月足終値と5年移動平均線

(出所:Bloomberg)

≪資料2≫豪ドル円の5年移動平均線からの乖離率

(出所:Bloomberg)

豪ドル円の5年MAからの乖離率は、プラス20%前後が上がり過ぎの限界圏となってきました。その意味では、2014年11-12月の100円を超えた豪ドル高は上がり過ぎであり、80円台への急落により、その上がり過ぎはほぼ修正されたわけです。

では、2016年の豪ドルは下がり過ぎ拡大で一段と下落するのか、それとも再び上がり過ぎ拡大に向かうのか。上がり過ぎ、下がり過ぎなら、基本的には逆方向に向かうリスクが高いといった具合に予想しやすいわけですが、ニュートラルな状態の場合は基本的には上がる下がるリスクが同等ですから、予想しにくいといえるかもしれません。

では、頭を切り替えて、豪ドル米ドルの5年MAからの乖離率を見てみましょう≪資料3参照≫。これを見ると、豪ドルは米ドルに対して、1990年以降では2001年に肩を並べる最高の下がり過ぎになっていることがわかります。2015年の豪ドルは、関係の深い中国で株が暴落し、そして代表的な資源国通貨とされる豪ドルですが、原油価格の暴落も打撃になりました。

≪資料3≫豪ドル米ドルの5年移動平均線からの乖離率

(出所:Bloomberg)

こんなふうに説明すると「悪材料」がとても多かったのが2015年の豪ドルでした。ただここでとても大事なのは、それは「だから豪ドルは急落した」という理由ではありますが、必ずしも「もっと豪ドルが下がる」理由なのかはわからないということです。

例えば、もう一度豪ドル米ドルの5年MAからの乖離率をご覧下さい。このグラフの直近値と同じぐらいマイナス乖離率となったのは2001年でしたが、もしもタムマシーンに乗ってこの2001年に戻れたら豪ドルを買いませんか。それと同じぐらいの下がり過ぎになっている豪ドルは、「悪材料」が目立つものの、じつは「買い」なのではないですか。

悪材料が目立ったから豪ドルは急落しましたがでも、でも無限に終わらない下落などなくて、下がり過ぎたら下落は止まるのです。でも下がり過ぎているかは、主観的にはわからないでしょう。何か物差しを基準にして、初めて客観的に、経験的に割高や割安が確認できるのです。

そのために、比較的シンプルで、比較的頻繁に参考にできる「為替版PER」がFX投資判断I(インディケーター)なのです。

さて、2001年以来の対米ドルで下がり過ぎになった豪ドルは、2001年と同様に後から振り返ると中長期的な買い場だったということになっていくのか。2016年の豪ドルは米ドルに対して中期豪ドル安が続くのか、それとも中期豪ドル高に転換するのか。

中期のトレンド判断で参考になるのは、52週MAです≪資料4参照≫。豪ドル米ドルの52週MAは、2015年9月末現在で0.78ドルでした。

≪資料4≫豪ドル米ドルの週足終値と52週移動平均線

(出所:Bloomberg)

私はドル円でもユーロドルでも、中期のトレンド判断で52週MAを参考にしますが、5年MAからの乖離率で見るとドル円は上がり過ぎで、ユーロドルは下がり過ぎで、そして2015年9月末現在で52週MAとかなり接近した水準での推移となっていました。この点が豪ドル米ドルと52週MAとの関係では大きく異なっています。

豪ドルは5年MAからの乖離率で見ると、米ドルに対して記録的な下がり過ぎでしたが、その修正が本格化し、中期豪ドル安から中期豪ドル高へ2016年に転換するのは、52週MAを大きく長く豪ドルが上抜ける必要が経験的にはあります。中期トレンドの転換の現実味においてドル円やユーロドルに比べるとまだ距離があるということになるでしょう。(了)

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