今週はこう動く! マーケット羅針盤

2015/10/12 10:54ユーロを予想する=独金利低下の終わり、中期ユーロ高へ転換の最終攻防局面

◆要約◆
・独長期金利の歴史的乱高下を受けユーロドルは独長期金利と異例の相関関係。
・その独長期金利は低下傾向が終わる可能性。独金利上昇なら中期ユーロ高へ転換か?!


1.一時的ユーロ高か中期ユーロ高への転換か、運命の1.14ドル巡る攻防

ユーロドルは5月頃から1.10-1.15ドル中心の一進一退の展開が続いてきました。これは、米独金利差、とりわけ3月にかけて大きく動いた長期金利差が5月頃からは方向感のない展開となっている影響が大きいでしょう≪資料1参照≫。

≪資料1≫ユーロドルと米独10年債利回り差(2015/1〜)

(出所:Bloomberg)

それにしても、これほどユーロドルが米独長期金利差と強い相関関係を続けるのは、昨年まではなかったことであり、最近のそれは極めて異例といえます≪資料2参照≫。

≪資料2≫ユーロドルと米独10年債利回り差(2012/1〜)
 
(出所:Bloomberg)

これは独長期金利が4月にかけてマイナス転落寸前まで大幅に低下し、その後は一転1%まで急反騰するといった具合に歴史的乱高下となったことで、ユーロドルも強く影響を受けたということではないでしょうか。

異例とはいいながら、このユーロドルは米独長期金利差、とりわけ歴史的乱高下となっている独長期金利で決まるといった関係がこの先も続くなら、ユーロドルの行方を考えるためには独長期金利の行方を考える必要があります。

そんな独長期金利が4月下旬から急反騰に転じた動きは、3大株バブル破裂相場を平均した値動きとこれまでのところかなり似た状況が続いてきました≪資料3参照≫。この似た値動きがこの先も続くなら、6月から続いてきた独長期金利低下傾向はそろそろ終わり、上昇が再燃するタイミングに入っているようです。

≪資料3≫独10年債利回りと3大株バブル破裂相場の平均値

*日経平均(1990/1/4〜)、NYダウ(1929/9/3〜)、ナスダック(2000/3/10〜)
(出所:Bloomberg)

本当にそうなのか。違った角度からも考えてみましょう。独長期金利の90日MA(移動平均線)からのかい離率を見ると、6月からの金利低下は「上がり過ぎ」修正と位置付けられますが、それは最近にかけて一転「下がり過ぎ」になっていました≪資料4参照≫。この観点からも、独長期金利低下はそろそろ終わり、上昇再燃となる可能性はありそうです。

≪資料4≫独10年債利回りの90日移動平均線からの乖離率

(出所:Bloomberg)

さて、今年のユーロドルは、異例にも米独長期金利差と強い相関関係となってきましたが、この関係がこの先も続くなら、これまで見てきたように独長期金利上昇再燃の可能性が高いということはユーロ高・ドル安へ向かう可能性が高いということになります。

ところで、ユーロドルは中期トレンド判断で参考になる52週MAが足元で1.14ドル程度なので、それにきわめて近い位置での推移となっています≪資料5参照≫。経験的には、一時的なユーロ高なら52週MAを大きく長く上回らない程度にとどまります。逆に52週MAを完全に上回るなら、それは中期ユーロ高へトレンド転換した可能性が高まります。

≪資料5≫ユーロドルと52週移動平均線

(出所:Bloomberg)

以上のように見ると、ユーロは中期トレンド転換が試されるきわめて重要な分岐点にある可能性があるわけですが、そういう局面で先に見てきたように「独長期金利上昇再燃=ユーロ高」の可能性が注目されそうだということです。

ところで、最後にユーロ円についても少し述べてみたいと思います。ユーロ円もこの数か月135-140円中心に方向感のない展開が続いてきましたが、これも日独長期金利差が方向感のない展開が続いた影響が大きかったといえそうです≪資料6参照≫。

≪資料6≫ユーロ円と日独10年債利回り差

(出所:Bloomberg)

この関係がこの先も続くなら、これまで見てきたように独長期金利上昇が再燃に向かう場合、ユーロ円もユーロ高・円安に向かう可能性が注目されるのではないでしょうか。(了)

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