今週はこう動く! マーケット羅針盤

2015/09/21 13:21トルコリラ円を予想する=リラは短期下がり過ぎ、中期安値は購買力平価が目安

◆要約◆
・短期的にはリラ下がり過ぎ。米利上げ観測後退に伴う米ドル安などをきっかけに反発も。
・中期的にはドル安・円高終わるまでリラ安・円高続く可能性。目途は購買力平価33円。


1.短期=バニック局面でなければリラ下がり過ぎ

高利回りが人気のトルコリラは、いわゆる「8・24パニック」で40円を大きく割り込んで以来、40円以下の安値圏で推移することが多くなっています≪資料1参照≫。では、トルコリラは反発する可能性はあるのか、その一方でいくらまで下落するリスクがあるかといったことについて、今回は考えてみたいと思います。

40円を下回るリラ円は、90日MA(移動平均線)からのかい離率などで見ると、下がり過ぎ懸念が強いといえそうです≪資料2参照≫。同じように同かい離率がマイナス10%に近付いた4月下旬、下がり過ぎ修正が本格化すると、リラ円は90日MA(18日現在、44.2円)を回復するところまで反発しました。

ちなみに、4月下旬に、リラ円の下がり過ぎ修正が本格化する手掛かりになったのは、米ドル全面安を受けてリラ高になったことでした。先週のFOMCを受けて、米早期利上げ観測が後退し、米金利低下で米ドル下落となっていますが、これを受けたリラ高が、リラ円の下がり過ぎ修正のきっかけになる可能性は注目されます。

一方で、リラ円は、2008年リーマンショック前後などは、90日MAからのかい離率もマイナス30%近くまで急拡大するといったこともありました≪資料3参照≫。経験的には5-10年に一度といったペースではありますが、パニック局面では下げ止まらなくなるリスクもある通貨であるということは頭に入れて置く必要がありそうです。
 
2.中期=中期的リラ安値と一致してきた購買力平価は33円

次に中期的な観点で考えてみたいと思います。

リラ円の近年における中期的な主なリラ高値、安値は、2014年12月(リラ高値)、2011年10月(リラ安値)、2007年10月(リラ高値)といった具合になっていましたが、これはドル円の中期的な高安値とタイミングがきわめて近かったといえるでしょう≪資料4参照≫。

以上の関係に変わりないなら、リラ円の安値は、ドル安・円高が終わる前後で記録する可能性があるといった見通しになるでしょう。

ところで、2005年以降のリラ円と日本・トルコの購買力平価の関係を見ると、リラ円の安値は購買力平価とほぼ一致してきました≪資料5参照≫。この関係に変わりないとすれば、リラ円の当面の安値限界は購買力平価の33円程度といった見通しになるでしょう。

リラの対円での中期的な安値目途が購買力平価だったのに対し、高値の目途はどのように考えたら良いでしょうか。2007年6月-2010年10月のドル安・円高局面においてもリラ円は購買力平価を2-3割程度リラが上回ったことはありました≪資料6参照≫。

これを参考にすると、かりに中期的なドル安・円高トレンドが始まっているとするなら、その間のリラ円の反発目途は43円程度といった見通しになるのではないでしょうか。(了)

≪資料1≫トルコリラ/円(日足)
(出所:M2J FX Chart Square)

≪資料2≫トルコリラ/円の90日移動平均線からの乖離率
 
≪資料3≫トルコリラ/円の90日移動平均線からの乖離率
 
≪資料4≫トルコリラ/円(月足)
(出所:M2J FX Chart Square)

≪資料5≫トルコリラ/円と消費者物価PPPと生産者物価PPP
(出所:Bloomberg)

≪資料6≫トルコリラ/円の購買力平価からの乖離率
(出所:Bloomberg)

※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。

※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

バックナンバー

「今週はこう動く! マーケット羅針盤」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ