今週はこう動く! マーケット羅針盤

2015/09/14 11:229月後半の為替を予想する=FOMC後もドル反発するか、「影の主役」はバブル破裂

◆要約◆
・「8・24パニック」後のドル反発の継続を試す「運命のFOMC週間」。
・影の主役は「バブル破裂」。一時的な株高、ドル高あるか否かの鍵を握る。


1.ドル反発は121円台半ばで終わったのか?

今週は火曜日に日銀、そして木曜日にはFOMCといった具合に、重要な金融政策決定会合が予定されています。とくにFOMCでは、ついに2006年以来の利上げ、ゼロ金利解除が行われる可能性があるだけに、それを受けた株、為替の動きは大きな関心を集めているでしょう。

それにしても、最近の為替の動きは、一時116円台までドル急落となった「8・24パニック」後は、荒い値動きながらも方向感のない展開が続いています≪資料1参照≫。ドル円は下がりそうで意外と下がらない、上がりそうで意外と上がらないといった展開となっていますが、「運命のFOMC週間」で、新たな方向性が出てくるかについて今回は考えてみたいと思います。

「8・24パニック」でドル急落が一巡、反発気味に展開しているのは、「8・24パニック」の値動きの特徴通りの結果ともいえます。この値動きの特徴の一つに、「2円以上の長い下ヒゲ」ということがありました≪資料2参照≫。同じような特徴のあったケースは、2007年以降で4回ありましたが、いずれも一旦ドルは最低5%以上の反発に向かったのです。

ただし、「8・24パニック」のもう一つの特徴は、4円以上のドル急落ということでした。同じような特徴のあった例は2007年以降で4回、このうち「8・24パニック」と同様に、「長い下ヒゲ」の特徴でも一致したケースは3回でしたが、この3回において間もなくドル反発は一巡し、平均45営業日程度で、ドルは安値更新に向かったのでした。

ちなみに、この3回のうち2回は、ドル戻り高値は各5、7営業日で記録していました。1回だけがドル反発のピークをつけるまで41営業日かかったケースがありました。今回の場合、じつは4営業日目に記録した121.5円程度がドル反発のピークですが、すでにこれでドル反発局面は終わったかどうか、それを見極めるのがこの「FOMC週間」になりそうです。

2.ゼロ金利解除でも株は一旦上がる?

では、今週のFOMCでついに利上げが決まった場合、もしくは利上げ先送りになった場合、株、為替はどのように動くでしょうか。まずは利上げが行われた場合について考えてみましょう。

今回のFOMCの利上げはゼロ金利解除ということになります。歴史上のゼロ金利解除としては、2000年8月、2006年7月という二度の日銀による例があります。この2回のケースでは、日本の株は当面の底打ちを確認し、一旦上昇に向かいました≪資料3参照≫。これを参考にすると、今回FOMCがゼロ金利解除に動いても、株は意外に下がらない可能性もあるかもしれません。

ただ、二度の日銀ゼロ金利解除における株の反応は、その後全く別の方向に向かいました。2006年の場合、株は当時の高値を更新し、その後一年も続伸したのに対し、2000年の場合は、株反発は2週間程度で一巡し、間もなく株暴落再燃となったのです。

なぜ、2000年の場合、株は間もなく暴落再燃になったかといえば、当時はITバブル破裂に伴う世界的な株暴落局面の途上にあった影響が大きかったでしょう。それでも、2000年8月11日、ゼロ金利解除直後は2週間程度株が反発に向かいましたが、それは「バブル破裂・中休み」のタイミングだったからでしょう≪資料4参照≫。中休みが明けると、バブル破裂の株暴落の再開となったわけです。

さて、そんなITバブル破裂のナスダック指数暴落の動きと、6月からの上海総合指数の暴落の動きは、これまでのところとても良く似ています。似た動きがこの先も続くなら、これから1か月程度バブル破裂中休みで上海株も反発局面になってもおかしくない局面にあるようです。

FRBがゼロ金利解除に動いても、それを先送りしても、株が世界的に一旦上がるなら、それは中国株バブル破裂の「中休み」局面にある影響がじつは大きいのかもしれません。もしもその通り株高に戻すようなら、株と連動性の強いドル円は、あの121円半ばでドル反発が終わったかを試す可能性があるでしょう。

それにしても、中国株が「バブル破裂」で、過去のパターンと似たような値動きがこの先も続くなら、10月以降、株暴落が再燃する可能性があるでしょう。そうなると、ドル円もあの「8・24パニック」直後に記録した116円でドル安・円高が終わったかが改めて試される見通しになるのではないでしょうか。

さて今回は、「運命のFOMC週間」で、株、為替がどう動くかを考えてきました。この相場の「影の主役」は中国に象徴されるバブル破裂の影響だと私は考えています。ただ果たして、「バブル破裂」は中国株だけなのか。もしも、別の「バブル破裂」も進行しているなら、株の暴落再開などは今回考えてきたよりもっと早くなる可能性ももちろんあるでしょう。(了)

≪資料1≫ドル円(日足)

(出所:M2J FX Chart Square)

≪資料2≫主なドル急落と長い「下ヒゲ」

(出所:Bloomberg)

≪資料3≫日経平均
 
(出所:Bloomberg)

≪資料4≫上海総合指数とナスダック
縦軸:ピークを100として指数化
横軸:ピークからの経過営業日

(出所:Bloomberg)

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