今週はこう動く! マーケット羅針盤

2013/06/05 12:02投機筋の円買いへの転換と円高の可能性

ヘッジファンドなど投機筋の円売りが急拡大してきましたが、経験的にはそれが円買いに転換する局面を迎えつつある可能性が高そうです。そして投機筋が円買いへ転換すると、かなり高い確率で為替相場も円高へ転換するのですが、今回は果たしてどうでしょうか。
 
◆投機筋が円買いへ戦略転換する可能性
 
≪資料1≫は、ヘッジファンドなどの取引を反映しているCFTC統計の円ポジションです。これを見ると、足元円売り越しが記録的な規模に拡大していることがわかります。
 
ところで、2010年以降で見ても、今回のような円売り拡大局面は何度かありました。ただそれが一巡し、円買いへ転換するケースは、円売り越しの水準では必ずしも一様ではありませんでした
 
つまり、2010年から2012年春頃までは、円売り越しが6万枚前後まで拡大すると一巡、円買いへ転換するのがパターンでしたが、2012年12月のケースでは、円売り越しは9万枚を超えるところまで拡大してようやく一巡、円買いへ転換しました。そして最近では、円売り越しが継続的に9万枚を超える状況となっています。
 
≪資料1≫「CFTC円ポジション」(2010/1〜2013/5/21)
 
(出所:Bloomberg)
 
こんなふうに見ると、CFTC統計の円ポジションで、円売り越しがいくらになると限界で、円買いに転換するという目安は指摘しにくいのですが、この統計を使って≪資料2≫のように少し加工してみるとちょっと手掛かりになりそうです。
 
≪資料2≫「CFTC円ポジションの総建玉に対する円ショート比率」(2005/1〜現在)
 
(出所:Bloomberg)
 
これは総建て玉に対する円ショートの比率を調べたものですが、このように見ると、≪資料1≫の中で確認した2010年以降の4回の円売り越しピークは全て、≪資料2の中では円ショートの比率が85%前後に達した局面だったことがわかります。
 
さて、足元の円ショート比率は85%を上回ってきました。その意味では、投機筋の円売り拡大は一巡し、円買いへ転換する局面に入りつつある可能性が高いと考えられます。ではそんなふうに投機筋が円買いに転換したら、為替相場はどうなるでしょうか。
 
≪資料3≫は2010年以降のドル円のチャートに、おもなドル高・円安のピークをマークしてみたものです。これを見ると、過去4回の投機筋の円売りから円買いへの転換のうち3回は、ドル高・円安からドル安・円高への転換ともほぼ一致していました。
  
≪資料3≫「ドル円」(2010/1〜現在)

(出所:Bloomberg)
 
 
 
このように見ると、投機筋が円買いへ転換すると、さすがに為替相場も円高へ転換する可能性は高かったわけです。大雑把にいえば、その後は数ヶ月で10%前後のドル安・円高が起こるところとなりました。
 
ところで、過去4回の投機筋の円買いへの転換の中で、唯一それが円高への転換と一致しなかったのは昨年12でした。この局面では投機筋が円買いへ転換したにもかかわらず、為替はドル高・円安が一段と進むところとなりました。いわゆる「安倍円安」でした。
 
以上からすると、ヘッジファンドなど投機筋は円売りから円買いへ転換する局面を迎えている可能性は高そうです。その結果、普通なら為替相場も数ヶ月で10%程度のドル安・円高へ向かう可能性が高いでしょう。それとも、「安倍円安」は再びそれすら跳ね返すのか。それが試される局面を迎える段階にあるのでしょう。(了)

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