今週はこう動く! マーケット羅針盤

2013/04/22 14:11「アベクロ円安」vs「GW円高」という次の見所

◆要約◆
・ドルは月末94.1円を上回ると7ヶ月連続の過去最高陽線連続記録に並ぶ。
・一方4月末からのGWには円高傾向あり。今年は客観的にはリスク大だが、果たして?
 
 
1.「GW円高」のメカニズム
 
4月のドル円は、94.1円程度の取引スタートとなりました。このため、4月末、ドルがその94.1円を上回ると、対円で陽線引けということになり、じつに7ヶ月連続のドル陽線引けになります。
 
1995年以降で調べたところでは、対円のドル陽線引け連続記録は7ヶ月ですから、今月も陽線引けなら、その最高記録にいよいよ肩を並べることになるわけです。今のところ、それはほぼ確実の様相となっていますが、「GW円高パニック」というここ数年のジンクスは、その中でも数少ないリスク要因の一つでしょうから、今回はそれについて述べてみたいと思います。
 
≪資料1≫は、2010年以降のドル円のチャートに、日本のゴールデンウィーク(GW)期間を赤色でマークしてみたものです。このように、最近のGW期間中はドル安・円高に振れる傾向が続いてきたことがわかるでしょう。
 
≪資料1≫ 
 
(出所:Bloomberg)


 
ところで、そんな「GW円高」がパニックの様相となったのが2010年でした。このGW期間中に、一日で6円程度も一気にドル安・円高に振れるということが起こったのです。かりに今回、それに近いことが起こったら、あっという間に、ドル7ヶ月連続陽線引けという過去最長タイ記録達成が消えてしまいかねないわけです。
 
それにしても、なぜ2010年は「GW円高パニック」が起こったのか、そしてそれ以外もここ数年のGWは円高傾向が強くなっていたのか。その理由の一つは、市場がドル買い・円売りに傾斜し過ぎた形でGWを迎えることが多かったということでしょう。
 
≪資料2≫は、CFTC統計の円ポジションですが、2010-2012年にかけて3年連続で、GWにかけての円売り越しは5万枚前後に拡大していました。
 
≪資料2≫
 
(出所:Bloomberg)


 
円の売り越しは、2007年には10万枚を大きく超えたこともありましたが、それは日米金利差ドル優位が大幅に拡大していた当時のことでした。金利差がほとんどなくなった2008年以降久しく、円売り越しは5-6万枚が上限となってきました。
 
つまり、過去3年連続で、GW前は金利差という裏付けのない中では、円「売られ過ぎ」懸念の強い状況となっていたのです。
 
GWで市場参加者が少なくなり、薄商いで値動きが荒くなりやすいところに、円「売られ過ぎ」修正が一気に入った結果が、「GW円高」、時にはそれが「円高パニック」に発展することになったということでしょう。
 
では、今年のGWはどうでしょうか。足元の円売り越しは9万枚程度に拡大し、過去3年の売り越しを大きく上回っています。一方で金利差がほとんどないという状況は変わっていないので、普通に考えたら、これまで以上に「GW円高」リスクを警戒してもおかしくない状況ではないでしょうか。
 
それでも、今年の「GW円高」は、アベノミクスや「黒田緩和」のお陰で、パニックはおろか「無風」に過ぎ、晴れてドルは7ヶ月連続の陽線連続最高タイ記録達成となるでしょうか。それが当面の一つの焦点になりそうです。(了)

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