今週はこう動く! マーケット羅針盤

2013/03/25 12:43「アノマリー」で考える為替の春相場

◆要約◆
・春相場は為替相場の潮目が変りやすいという「アノマリー」がある。
・イタリアショック、キプロスショックと続いたが、昨年も春は欧州危機再燃となった。
 
 
私は、昨年10月、「FXアノマリー」についての本を書きました。また、あるマネー誌で、四半期に一度、「FXアノマリー四季報」という連載を書いています。今回は、その連載の一部を引用し、「アノマリー」で考える春相場の注目点を整理してみたいと思います。
 
◆3月=一年で最も米ドル円が大きく動く月
 
そもそも、昨年はこの3月が大きな潮目の変化となりました。米ドル円も豪ドル円も、そしてユーロ円も、いずれも3月中下旬にかけて当面の円安のピークをつけたのです。つまり昨年の場合は、3月が円安から円高への重要な転換点となったのです。
 
後でも述べますが、基本的な傾向としては、このように為替の潮目の変化が起こるタイミングは、昨年の場合は例年より少し早めでした。むしろ為替のアノマリーとしては、3月末、4月初めに、なぜか不思議と風向きが変わりやすいということがあります。
 
その意味では、昨年の場合は、例年より少し早いタイミングだったわけです。ただそれは円に限った話ではありませんでした。昨年3月が「変化のタイミング」になったのはユーロを巡る動きでもあったのです。
 
欧州債務危機は、昨年1月にはそれまでイタリアを主役に展開した動きが一段落となったのですが、3月から新たにスペインを主役とする形で危機再燃となったのです。その結果、ユーロは対米ドルでも2月末に当面の高値を付けました。3月は、昨年の場合、ユーロ高からユーロ安への大きな転換点にもなったのでした。
 
少し話題を変えてみましょう。3月の代表的な為替のアノマリーは、「相場がよく動く」ということです。米ドル円の3月の平均値幅は、12か月の中で最大です。つまり3月とは、「一年で最も米ドル円が動く月」なのです。
 
そして、その象徴がかつては3月最終営業日でした。3月最終営業日の米ドル円値幅は、たった一日で3-4円に急拡大するということが2000年代前半には例年続いたという実績もあったことから、「一年で最も米ドル円が大きく動く日」といった意味で「ビッグデー」と呼ばれたこともあったのです。
 
◆4月=4月初めは“裏切りのシーズン”
 
為替相場の風向きが変わりやすいというアノマリーが最も当てはまるのは、本来はこの4月です。
 
たとえば、4月の米ドル円は、3月と逆方向に動く確率がとても高いのです。過去の実績を調べてみると、何と8-9割の確率で、4月の米ドル円は、3月とは逆の動きになっていたのです。ちなみに、昨年の場合も、3月は対円で米ドル陽線(ドル高)引けでしたが、4月は陰線(ドル安)引けでした。
 
このような円安から円高へ、または円高から円安へといった為替相場の風向き、潮目の変化は、不思議と3月末、4月初めのタイミングで起こることが多かったのです。さっきも述べたように、昨年の場合は少し早かったのですが、一昨年、つまり2011年までは数年続いて米ドルは対円で4月初めに年間高値を付けることを繰り返しました。
 
これは、4月から日本企業の新年度がスタートする、また学校でも新学期が始まるといった「季節の変わり目」を受けた当然の結果のような気もします。ただ当時の感覚は、実はちょっと違うものだったのです。
 
4月初めは、その当時の感覚として、大多数の相場観が意外にあっけなく行き詰まった結果、反転するといった印象の強い時期なのです。たとえば、3月末にかけて、ほとんどの人がしばらくは円安で間違いないと考え、4月の新年度入りとともに、一気に円安が進むのですが、その円安がすぐに終り、円高へ急反転するといった具合だったのです。
 
アノマリーとは、「論理的に説明できないものの、頻繁に繰り返される相場の傾向」と定義することができますが、この「4月初めの裏切りのシーズン」は、まさに誰もがほぼ間違いないと考えた相場観があっけなく裏切られてしまうことを繰り返してきたわけですから、代表的なアノマリーの一つだと思います。(了)


※当レポートは、投資や運用等の助言を行うものではありません。また、お客様に特定の商品をお勧めするものでもありません。

※当レポートに記載する売買戦略はテクニカル指標その他を基に客観的に判断しているものであり、相場の行方を決定付けるものではありません。最終的な投資判断はご自身の意思判断によりお取引いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

バックナンバー

「今週はこう動く! マーケット羅針盤」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ