今週はこう動く! マーケット羅針盤

2013/02/27 15:30「安倍円安」一服後のシナリオとは?

「安倍円安」が一息ついたようになっています。ではこれからどうなるのか。過去の似ている相場を参考にすると、ドル円が高値を更新し、95円を大きく超えていくまでには少なくとも3-4か月かかり、それまでは90-95円を中心に一進一退が続くという見通しになりますが、果たしてどうでしょうか。
 

◆「榊原円安」と「安倍円安」一服局面の類似性
今回の「安倍円安」は、3か月余りで15-16円もドル高・円安が進みました。過去には約2か月で20円のドル高・円安となった1995年の「榊原円安」と呼ばれた相場もあります。
 
その「榊原円安」が一服着いたのは1995年9月20日でした。この日、政府の新経済対策発表が予定されており、合わせて一段のドル高・円安誘導を狙った日銀のドル買い・円売り介入が行われるかもしれないとの思惑があったことから、ドルは高値を更新し、104.7円を記録しました。
 
しかし、対策は発表されたものの、一段の円押し下げ介入は行われませんでした。それに失望したとして、この日のうちにドル円は102.3円まで急反落となったのです。そして翌21日には、欧州情勢の混乱も影響したとして、ドル円は一気に97円まで一段安となったのです。
 
ただ、22日、ついに日銀がドル買い・円売り介入に動くと、この「榊原円安」一服後の反乱も終わったのです。それでもさすがにドル急反落のショックは大きかったのか、ドル上値追い再開の動きも鈍く、しばらくは100円近辺での一進一退が続き、年明け1月になってからドル円は高値を更新、105円を超えていく展開となったのでした。
 
この局面は、1995年4月80円から9月に100円を超えるドル高・円安となっていました。にもかかわらず、上述のように「政府の新対策発表に合わせ、一段の円押し下げ介入があるかもしれない」との見方が広がっていたというのです。20円以上もすでにドルが上がり、しかも100円を超えた水準でもそんな思惑が広がったのはなぜか。
 
当時のテクニカル指標のいくつか、たとえば、円の総合力を示す実効相場の90日移動平均線からの乖離率などは、すでに円が短期的に史上最高の「下がり過ぎ」になっていました。
 
その意味では、自力でドル買い・円売りが困難な状況になっていたのでしょう。そういった中だからこそ、すでに20円以上も下がった円を、しかも100円を超えた水準でも「円押し下げ介入」があるかもしれないといった、ある意味では「欲張り」な期待が広がったのかもしれません
 
ただ、「欲張り」な期待はやはり実現せず、それを確認する中で、「榊原円安」も一服となったのでした。
 

◆「榊原バブル」ではなかった、では「安倍円安」は?
 
このような経緯も、最近の「安倍円安」を巡る動きと似ているのではないでしょうか。「安倍円安」は3か月余りで15-16円もドル高・円安となりましたが、それでも日銀の外債購入政策などへの期待があったようです。
 
さすがに3か月余りで15-16円もドル高・円安が進む中で、円実効相場の90日線からの乖離率は、上述の1995年9月に次いで史上第2位の「下がり過ぎ」になっていました。要するに、自力でのドル買い・円売りが限界になる中で、すでに15-16円も上がったドルを、さらに日銀が買う外債購入策を期待するといった客観的には「欲張り」といえそうな構図になったのではないでしょうか
 
さて、1995年「榊原円安」は、上述のように同年9月に一服となったものの、100円を下回ったところでは日銀がドル買い介入に動くことが確認されると、「反乱」もごく短期間で終了し、3-4か月後にはドル高値を更新するところとなりました。つまり「榊原円安」は「バブル」ではなかったわけです。
 
「榊原円安」が始まる前、1995年4月までは5年間という記録的に長い円高局面がありました。つまり、「榊原円安」とは、記録的な円高が終わった後の円安局面をそう呼んだに過ぎなかったという言い方もできるでしょう。だからこそ、その円安は「榊原バブル」ではなかったのではないでしょうか。
 
さて、「安倍円安」が始まる前にも、2011年10月末にかけて5年近くもの記録的な円高が続きました。「安倍円安」と呼ばれる動きが、記録的な円高が終わった後の円安局面ということなら、この点もこれまで見てきた「榊原円安」との類似点です。「安倍バブル」破裂とはならず、比較的短期間の「反乱」にとどまるかが、それを見極める鍵になるでしょう。(了)

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