今週はこう動く! マーケット羅針盤

2013/02/12 12:55円全面安の行方でユーロ円が鍵握る理由

◆要約◆
・円全面安が記録的ペースで続く中、最も突出しているのはユーロ高・円安の行き過ぎ。
・ユーロ高・円安一服は、円全面安一服の鍵を握るとともに、反動も大きくなりやすい。


1.突出したユーロ高・円安の行き過ぎ
 
円全面安が記録的なペースで展開しています。その中で、円の総合力を示す実効相場の90日移動平均線からのかい離率などを見ると、すでに円は過去第2位の「下がり過ぎ」水準になっていることは、以前も何度か紹介してきました≪資料1≫。
 
≪資料1≫ 
 
(出所:Bloomberg)

 
では、この記録的な円全面安をリードしているのは何か。数字的にいうと、それはやはりユーロ円ということになります。≪資料2≫のように、ユーロ円の90日線からのかい離率は、一時プラス16%以上に拡大しました。ドル円のかい離率がプラス11%程度であることからすると、大きく上回るものになったわけです≪資料3≫。
 
なぜ、このように円全面安の中でも、ユーロ高・円安の行き過ぎで突出したものになっているかといえば、円の「下がり過ぎ」にくわえ、ユーロの「上がり過ぎ」も進んでいるためです。
  
≪資料2≫ 
 
(出所:Bloomberg)

 
≪資料3≫
 
(出所:Bloomberg)
 

≪資料4≫のように、ユーロの実効相場の90日線からのかい離率は、一時プラス6%以上に拡大しました。これは経験的にかなり、ユーロ「上がり過ぎ」懸念が強いことを示すものです。
 
このように記録的な行き過ぎた動きとなっていたユーロ高・円安は、先週後半一時急反転となりました。7日にECBドラギ総裁の発言がユーロ高けん制と受け止められたこと、そして8日の麻生財務大臣の「意図せぬ円安」発言が円買い戻しを促すところとなったためです。
 
ところでユーロは、≪資料5≫のように独金利でかなり説明できるものです。7日ドラギ発言以降は、独2年物金利が大幅に低下し、その中でユーロ大幅反落になったことが確認できます。
 
≪資料4≫
 
  (出所:Bloomberg)
 

≪資料5≫「ユーロドルと独2年物金利」(2012/1〜現在)
 
  (出所:Bloomberg)
 
7日ドラギ発言は、ECB金融緩和方針の継続を確認したものでした。それを受けて、金融政策を反映する独2年物金利の急上昇は頭打ちとなり、低下に転じたわけです。これを見ると、独金利上昇を受けたユーロの「上がり過ぎ」拡大は一巡した可能性が高いのではないでしょうか。
 
そうであれば、行き過ぎたユーロ高・円安も、さすがに一服、調整が始まりつつあるのではないでしょうか。かりにそうだとすると、数字的にはユーロ高・円安の行き過ぎが突出していた記録的な円全面安も調整が始まりつつあるのではないでしょうか。
 
相場は行き過ぎるものですが、それには自ずと限界があり、それが限界に達した後は、一定の反動が入るものです。今回見てきたことからすると、記録的な円全面安が一息ついた後は、とくにユーロ安・円高への反動は結構大きなものになるのではないでしょうか。(了)

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