今週はこう動く! マーケット羅針盤

2013/01/21 12:20「主役」が消えた円売り相場

止まらないドル高・円安が続いているが、とくに年明け以降は、ドル買い・円売りの主役がわかりにくい状況になっているようです
 
◆投機でも「日本売り」でもない円売りの「主役」とは?
昨年12月中旬、85円程度までドル高・円安が進んだ局面でのドル買い・円売りのリード役の一つはヘッジファンドなど投機筋と見られました。CFTC統計によると、昨年12月11日現在の投機筋のポジションは9.4万枚と約5年ぶりといった記録的な円売り越し拡大となりました。

ところがその後、投機筋は一転してドル買い・円売りポジションの圧縮を続けてきたようです。1月15日現在のポジションは6.5万枚で、円売り越しは5週連続の縮小となりました。これを見る限り、海外投機筋は年末年始をはさみ90円へ一段と広がったドル高・円安において、それをリードするどころか、むしろドルを売り上がってきた感じでした。

この投機の円売り一巡後、昨年12月下旬のクリスマス前後で注目された円売り「主役」の一つが海外投資家の保有日本国債の売却でした。12月23日からの1週間では、中長期と短期の債券を合わせると約2兆円もの売り越しとなりました。円の下落を受けて、短期で保有している円資産中心に売却、一種の「日本売り」の構図となったわけです。

ただこの動きも年末の一時的な動きにとどまりました。年明け以降、とくに1月6日から始まった1週間では、逆に短期債中心に外国投資家は3兆円近い債券買い越しとなりました。続落する円相場を尻目に、「日本買い戻し」に動いた形となっていたわけです。

では日本の機関投資家がリスク許容度の回復で、外貨運用を拡大しているかといえば、それも微妙でしょう。財務省の統計によると、1月第1週の日本からの対外証券投資はむしろ売り越しでした。

このような特定の「円売りの主役」ではなく、すぐに統計的に確認しにくい実需、日本の輸入企業の為替予約拡大や、逆に輸出予約のかけ直し、日本の機関投資家の為替リスクヘッジ外しといった各種のドル買い・円売りが、予想以上に早いドル高・円安の進行で一斉に炙り出された形になっているということはあるでしょう。

また、値頃感からのドル売りが損切りのドル買い戻しを余儀なくされる、いわゆる「踏み上げ相場」の側面もあるのかもしれません。いずれにしても、それは中長期の基調転換が一般的に認識された局面での典型でもあるでしょう。(了)
 

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