今週はこう動く! マーケット羅針盤

2013/01/15 18:44当面のユーロ・豪ドルを予想する

◆要約◆
・ユーロは下がり過ぎ修正で中立圏に、豪ドルは上がり過ぎ拡大が進行中。
・上がり過ぎ警戒水準はユーロ円は140円超、豪ドル円は105円超。
・ただ円全面安で、実効相場は短期円下がり過ぎ警戒圏に。円安クライマックスへ。


1.ユーロ円と豪ドル円の現状評価

円全面安が続く中で、ユーロ円はついに120円、豪ドル円も95円突破含みとなってきました。そこで今回は、当面のユーロ円、豪ドル円の行方について考えて見たいと思います。
 
≪資料1≫はユーロ円の5年移動平均線からのかい離率です。これを見ると、ユーロ円の5年線からのかい離率は基本的に±20%の範囲内で推移してきたことがわかるでしょう。つまり、経験的には、かい離率がプラス20%前後に達すると中長期的に上がり過ぎ警戒域であり、逆にかい離率がマイナス20%前後に達すると下がり過ぎ警戒域といえるでしょう。
 
≪資料1≫「ユーロ円の5年線からのかい離率」(1991年〜現在)

 (出所:Bloomberg)

 
ユーロ円は、昨年秋にかけて、欧州債務危機などを受けて100円を大きく下回るユーロ安・円高が続きました。それは5年線からのかい離率で見るとマイナス20%を大きく超える動きでした。経験的にはユーロ下がり過ぎの警戒域で推移していたわけです。その意味では、最近にかけてのユーロ高・円安は、ユーロ下がり過ぎ修正の結果といえそうです。

ちなみに、ユーロ円の5年線は足元で121円程度ですから、この120円突破含みまでユーロ高・円安になったことで、ユーロは下がり過ぎが修正され、ほぼ中立圏に戻ったことになります。今後はユーロ上がり過ぎ拡大に向かうか、それとも再び下がり過ぎ拡大に向かうか、改めて新たな岐路に立った形となっているわけです。
 
このように、ユーロ高・円安はユーロ下がり過ぎ修正に伴う動きだったわけですが、豪ドル高・円安は違います。豪ドル円は80円程度が中立圏であり、その意味ではこの90円を大きく超える豪ドル高・円安は、豪ドルの上がり過ぎを拡大する動きだったわけです。
 
≪資料2≫は豪ドル円の5年線からのかい離率です。このかい離率も、±30%の範囲内で推移するのが基本でした。足元の5年線は82円程度なので、豪ドルが90円を大きく超えてきたことで、かい離率もプラス10%を大きく上回り始めました。
 
≪資料2≫「豪ドル円の5年線からのかい離率」(1980年〜現在)

(出所:Bloomberg)

 
ちなみに、5年線からのかい離率がプラス30%になるのは、足元なら106円程度の計算になります。その意味では、100円に近付く豪ドル高の動きは、上がり過ぎ拡大で可能ながら、さすがに100円を大きく上回ってくると上がり過ぎの限界を警戒する必要が出てくるのではないでしょうか。
 


2.当面4-5ヶ月の円安ピークを記録する局面
 
こんなふうに、同じクロス円の上昇(円安)も、ユーロ円はユーロ下がり過ぎの修正、そして豪ドル円は豪ドル上がり過ぎ拡大といった具合に意味合いは異なるようです。では、今後は、ユーロが上がり過ぎを拡大し、そして豪ドルは上がり過ぎの限界に向かって一段と上昇するのでしょうか。
 
ただ、≪資料3≫からすると、さすがに短期的には円安クライマックスのタイミングを迎えつつあるように思います。これは円の総合力を示す実効相場の90日移動平均線からのかい離率ですが、円全面安を受けて、このかい離率は経験的に下がり過ぎの警戒域まで拡大してきたのです。
 
≪資料3≫
 
(出所:Bloomberg)
 

≪資料3≫を見ると、円実効相場の90日線からのかい離率が、マイナス10%を大きく超えたのは1995年9月の一度しかありませんでした。そして最近は、まさにかい離率がマイナス10%突破含みになってきたわけです。
 
1995年9月は、いわゆる「超円高」の反転に伴うドル高・円安トレンド開始局面でした。同年4月80円から始まった「超円高」反転は、この9月105円で一旦のクライマックスとなりました。この結果、ドルが改めて105円を大きく超えていくのは翌年4月以降になったのです。
 
このように見ると、この1995年「超円高」反転に匹敵しそうな今回の歴史的円高反転局面で、円全面安が起こる中で、円の総合力を示す実効相場の90日線からのかい離率が、まさに1995年以来の円下がり過ぎを示す動きになってきたのもわかるような気がします。
 
それにしても、≪資料3≫からすると、現在は当面の円全面安がクライマックスを迎える局面にあり、今回見てきたクロス円、そしてドル円も含めて、当面4-5ヶ月程度の円安ピークを記録する動きが続いているということではないでしょうか。(了)

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