今週はこう動く! マーケット羅針盤

2013/01/09 13:37「異常」の終わりでFXに何が起こるのか?

為替相場が比較的活発に動くようになってきました。昨年12月のドル円値幅は5円近くに拡大しました。
 
ただ、かつては一か月のドル円値幅が4-5円になるのは特別ではなく、むしろ普通でした。つい最近まで続いた1か月に1-2円の値幅でしかドル円が動かないというのが、かつての感覚からすると「異常」でした。そんな「異常」から「普通」の動きに戻り始めているのではないでしょうか。
 
◆大成功ビジネスモデルの明と暗
 
もしそうであれば、意識的に考え方を大きく切り替える必要があるのかもしれません。「異常」を「異常」と認識しなかった結果、その変化に付いていけず手痛い目にあった例が過去にはあったからです。
 
ある株式ストラテジストのレポートによると、1990年代半ばにかけての「超円高」局面で、当時最高の経営成功例とされたある大手電機メーカーは、海外生産比率9割に象徴されるビジネスモデルを展開していましたが、その後大きく円安が広がる中で、数年後には合併に追い込まれました。
 
また、2007年にかけての120円を超える円安は、今からすると「超円安」、「円安バブル」の観があったわけですが、その中で国内生産拠点強化のために大規模な設備投資に動いたことが、最近にかけて大手電気メーカーが軒並み深刻な経営危機に陥っている一因といえるでしょう。
 
「超円高」も「円安バブル」も、別な言い方をすると「異常現象」になるでしょうが、それにしてもそこで大成功を収めたビジネスモデルの転換、頭の切り替えは成功体験があるがゆえに簡単ではないでしょう。ただ、その切り替えができないと、「普通の時代」に戻る中で、厳しい事態に陥る危険すらあるということです。
 
 
 
◆「投機のFX」から「投資のFX」への回帰
ではそれは、個人の為替取引、「FX」においてはどんな影響があるのでしょうか。ここ数年続いてきた小動きということ、内外金利差もほとんどないということ、2008年の金融危機以降広がってきたそういった現象が、途中からはさすがに「異常な現象」になっていたとしたら、そこでのビジネスモデルの成功例は、果たしてそのまま変わらないのでしょうか。
 
さすがに、異常な小動き、異常な低金利だったとして、それが「普通」に戻ったら何が起こるでしょうか。私はとりわけ、金利に注目しています。通貨と通貨の売買といった基本的にはゼロサムなFX取引において、金利は一般的な投資の概念に近いものでしょう。その金利が「普通」になるということは、投資として、資産運用としてのFXといった印象が客観的に戻ってくることになるのではないでしょうか。
 
要するに、「異常」が終わり、「普通」に戻ることに伴うFXへの影響の一つは、「投機のFX」から「投資のFX」へ戻るという可能性ではないでしょうか。
 
それにしても、「普通に戻る」という言葉の印象のような穏やかな変化になるかは別でしょう。「異常」とは「バブル」と言い換えることも可能でしょうから、「異常」の終わりは、「バブル破裂」になる可能性があります。その結果、「普通に戻る」中での低金利の変化に、私は注目しています。(了)

≪資料≫

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