今週はこう動く! マーケット羅針盤

2012/10/01 13:5910月の為替を予想する

1.米大統領選挙年は10月から動き出す
 
さて今年の10月は4年に一度の米大統領選直前の10月ですが、経験的に米大統領選挙が行われる10―12月期は9月の動きまでとは一変し、大きく動き出す傾向があるようです。今回はどうでしょうか。
 
前回大統領選が行われた2008年の10-12月のドル円値幅は20円ほどへ拡大しました。ただ、この年の9月はリーマンショックが起こり、「100年に一度の危機」が広がった時期でもあり、特別だった可能性はあります≪資料1≫。
 
≪資料1≫「ドル円騰落状況および月間値幅」(1995年〜2012年9月)

 しかし、2004年や2000年の時も10―12月のドル円値幅は10円程度へ拡大していました。この点からも経験的には米大統領選挙年の10―12月期ドル円値幅は、7―9月期よりも倍以上に拡大する傾向があるようです。
 
今年7―9月期のドル円は77.1〜80.1円と約3円の値幅に留まりましたが、過去のパターンからすると、10―12月期は6円以上の値幅で推移する可能性があるかもしれません。
 
今年のドル円は9月が終わったところで、76〜84円と約8円の値幅に留まっていますが、米大統領選挙前なので小動きは普通といえます。≪資料2≫のように、リーマンショックのあった前回2008年が例外であり、基本的には大統領選挙年のドル円は、他の年に比べて小動きになる傾向が強いことがわかるでしょう。
 
≪資料2≫「1998年以降のドル円の変化幅」
 
ただ、そんな「大統領選挙年の小動き」も、選挙の前後になると動意付き始めるというのが「もう一つの大統領選挙相場のジンクス」だったのです。上述のように10―12月期のドル円の値幅は大きく拡大し、年間のドル高安値のいずれかを更新するのが、これまでのパターンでした。
 
そのパターンからすると、ドル円は大統領選挙を前後して84円を越えるドル高になるか、76円を割れるドル安になるわけです。どちらにしても2012年相場の「最後の一波乱」が残っている可能性があるという話になります。


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2.ドル高84円超か、ドル安76円割れか、鍵は欧州不安
 
では「最後の一波乱」が起こるなら、それはドル高なのか、それともドル安なのか。それを考える上での鍵はドル円の場合、米金利との相関性が強いことから、やはり米金利次第ということになるでしょう。
 
そして≪資料3≫のように、米長期金利は欧州債務不安を象徴するスペイン長期金利と過去半年程度、逆相関関係だったことがわかります。つまり米長期金利は、欧州不安の動きで決まってきたといっても良いでしょう。
 
≪資料3≫「1998年以降のドル円の変化幅」(2012/3〜現在)
(出所:Bloomberg)
 
更に、その欧州不安を象徴するスペイン金利はこの先どう動くのか。≪資料4≫のように、スペイン金利は今年初めにかけて欧州不安の主役がイタリア危機だった当時のイタリア金利とこれまでよく似た動きが続いてきました。
 
≪資料4≫「伊・スペイン10年物金利の7%越え達成前後の動き」
※イタリアは2011年11月9日を起点に前後100営業日をグラフ化
※スペインは2012年6月18日を起点に前後100営業日をグラフ化
※共に利回り7%を突破した日を起点(0日)
(出所:Bloomberg)
 
この先も似た動きが続くなら、スペイン金利も一段と下方へ向かうことになりそうです。つまり、欧州不安への懸念が一段と後退するという見通しになり、そして米金利は上昇へ向かうという見通しになります。
 
以上から、米大統領選挙相場の「最後の一波乱」はドル高・円安で、3月に記録した84円台のドル高値・円安値を更新する展開に向かうという見通しになるわけです。
 
現在の一般的な感覚からすると、かなり意外感のあるシナリオではないでしょうか。今後は、そんなシナリオに向かうのかどうかを、スペインや米国の金利などの動きを見ながら確認していくことになるのではないでしょうか。(了)

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