今週はこう動く! マーケット羅針盤

2012/08/01 15:12ECB「債券介入」再開で何が起こるのか?

ECBによるスペイン国債等の購入再開が注目されています。ではそれが実現したら、何が起こるのでしょうか。少なくとも以前、「ECB債券介入」などにより、スペイン債券安が是正された局面では、米金利が大幅に上昇し、ドル高・円安が進みましたが、今回はどうでしょうか?


◆昨年8月と今年初め=欧州不安と米金利、ドルとの関係
ECBが、スペインやイタリアの国債購入に動いたのは昨年8月に入ってからでした。当時両国の10年債利回りは6%を上回って推移していましたが、このECB「債券介入」などを受けて、5%割れへ大幅低下となったのです≪資料1参照≫。


≪資料1≫
出所:Bloomberg


ただ、これでスペインやイタリアの債券安が終わったわけではありませんでした。秋以降、イタリア中心に債務不安再燃となると、この局面でも、ECB債券買いは続いていたようですが、イタリア、スペインの10年債利回りは7%前後まで一段と上昇となったのです。


こういった中でECBは昨年12月、3年物オペ、LTROに踏み切り、両国の10年債利回りも7%前後から、再び5%前後へ緩やかながら大幅低下に向かったのです。


ところが、米10年金利は、昨年8月に、上述のように「ECB債券介入」で、スペイン10年金利が5%割れへ向かったケースでは逆相関の動きとはなりませんでした。当時は米国債格下げ回避のための景気対策自粛への懸念から、米国でも株価は急落、金利は急低下となっていたのです。


ただ、上述のようにECBのLTROなどが効果をあげ、今年に入り再びスペイン10年物金利も5%前後へ大幅低下に向かった局面では、それに反比例する形で米10年物金利は2%を大きく超える大幅上昇に向かったのです。


昨年夏と今年初めでは米金融市場自身を取り巻く環境が大きく異なっていました。上述のように昨年夏は、米景気先行き不安で米株も急落となっていたのに対し、今年に入ってからは米景気回復観測から米株は上昇となっていたのです≪資料2参照≫。


米株上昇でも米金利は低下したままとなっていたのは、欧州不安との逆相関で説明できました。このため、今年に入ってからスペイン10年金利が5%割れへ向かって大幅低下となった局面では、それとの逆相関で米10年金利は2%を大きく超える大幅上昇となったわけです≪資料1参照≫。


さて、米株で説明できない米金利低下という意味では、最近の米金利を取り巻く環境は昨年夏とは異なり今年に入ってから変わっていません。そんな米金利低下をもたらしている欧州不安に伴うスペイン債券安が、「ECB債券介入」再開等で是正に向かったら、それと逆相関関係から米金利上昇、ドル高・円安になる可能性は注目されそうです。(了)


≪資料2≫
出所:Bloomberg

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