今週はこう動く! マーケット羅針盤

2012/06/11 15:23「雇用ショック」は「陰の極」だったのか?!

◆欧州危機終了、ドル安・円高終了「宣言」?!
9日、1000億ユーロのスペイン支援が決定しました。また先週末には、中国が約3年ぶりに利下げに踏み切りました。この2つの政策決定は、マーケットの先を行くものだったと思います。これまで、後手に回ることの多かった政策対応が先手に転じ始めたようです。


こういった政策対応を受けて、為替はドル高・円安、クロス円反発、そして株価が反発、金利は上昇となっています。このような値動きから見ても、3月スペイン危機から顕著になった今回の欧州危機が一段落したといった「危機終了宣言」が、専門家の一部から慎重ながら出され始めました


それは欧州が一つのきっかけとなってこの数ヶ月続いてきたリスク回避局面が一段落した可能性があるということです。今回のリスク回避局面では、スペインとともに「主役」のようになってきたギリシャについては、まだ再選挙を控えているなど、リスクイベントは6月後半にかけて目白押しですが、それを見届ける前に早々と、リスク回避は峠を越えた可能性が注目され始めているというわけです。


結果としては6月1日の「米雇用統計ショック」で記録した安値、ドル円77円台、米独長期金利、それぞれ1.1%、1.4%が当面の大底だった、つまり「陰の極」だった可能性が注目され始めています。


6月後半にかけてのリスクイベントは、6・1「陰の極」説で正しいか、「もう一波乱」リスクが残っているかを見極める、そんな位置付けになってきたようです。


◆「行き過ぎた悲観相場」の反転を見極める段階に
6月1日に発表された米5月雇用統計で、注目のNFP(非農業部門就業者数)は前月比増加幅が1ケタ(6.9万人増)にとどまるなど、予想を大きく裏切る悪い結果でした。にもかかわらずなぜ、これまで述べてきたように、それがリスク回避、悲観相場の極みになる可能性があったのでしょうか。


結論的にいうとそれは行き過ぎた動きの限界に達したためということではないでしょうか。NFPの前月比1ケタの伸びは良い数字ではありませんが、かといって雇用回復トレンドの転換を示すほどの数字でもありません。


それにしてもギリシャのユーロ離脱の可能性、ユーロ圏第4の大国、スペイン支援の可能性など、欧州を巡る動きに希望を見出すのは難しいことだったことは間違いないでしょう。

ただその割に、「恐怖指数」VIX指数は、昨秋の欧州危機や、2010年の第一次ギリシャ危機、ましてや2008年リーマンショックなどとは比べ物にならないほど落ち着いた動きとなっていました。


以上のようなことからわかるのは、悲観論が行き過ぎたもので、リスク回避の悲観相場が行き過ぎたものになっていた可能性があるということです。ただ「行き過ぎた悲観論」とは言っても、政治的なプレッシャーは強いものがあったでしょう。とくに大統領選挙を控えた中でのオバマ大統領にとっては。


最初に述べたように今回のスペイン支援も、先週の中国利下げも、金融市場に対して結果的に機先を制する展開になった背景には、米国から背中を押されたといった影響もあったのではないでしょうか。


行き過ぎた悲観相場になっていたところに、政治的プレッシャーから政策対応も先手で動くようになったなら、行き過ぎた悲観相場の反転が始まっている可能性も十分考えられるところでしょう。(了)


 

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